テイルズの推しカプでダリフラパロ(未完)





二機のFRANXXが帰還する。ローレライとテルクェスだ。本日は非番で温室を見に行っていたルカは、彼らを見つけて駆け寄った。
「おかえりなさい、セネル」
「ルカ、すぐにガイかヴァンを呼んでくれ!」
顔を合わせるなり、メットをとることもせずにセネルは声を荒げた。「え」とルカが硬直する間に、セネルとワルターはローレライのハッチへ駆け寄っていく。それを見て、ルカも事態を察し顔を青くした。
「イオン!」
ローレライのハッチからシンクに抱えられて姿を見せたのは、ぐったりとしたイオンだった。

▼交わるコドモ

細い腕に点滴の針を刺され、イオンはベッドに横たわっている。その枕元に立ち、シンクはじっと腕を組んだまま口を噤んでいた。検査結果の数値が書かれた紙を捲り、ヴァンは吐息を漏らした。
「最近、シンクロ率が下がっているな」
「それでローレライの動きが止まり、叫竜の攻撃を受けたのか」
グッと顔を歪め、ガイはイオンの力ない手を握る。
「シンク、今の状態ではローレライに乗り続けるのは難しい。そこで、提案なんだが」
ヴァンはチラリとガイを一瞥した。コドモに肩入れする彼は、この提案に難色を示すだろうと思ったのだ。しかし、今のままではシンクたちが叫竜との戦いで命を落とす危険さえある。どうせ悪者になるのは自分だけだ、そう思い直しヴァンは重い口を開いた。
「――パートナーシャッフルをしてみないか」
その言葉を医務室の外で聞いていたルカは、ドキリと揺れる胸を手で握りこむ。イオンのお見舞いに来たのだが、入室するタイミングを見失ってしまったのだ。
手の平の中で、ドクドクと心臓が脈打っている。それと同時に思い出すのは、時折温室で顔を合わせるシンクの姿だった。
「……あの、」
意を決し、ルカは医務室へ声をかける。彼がそこにいると思っていなかったヴァンたちが、目を丸くしている。グッと手を握り、ルカは口を開いた。
「それ、僕にやらせてくれませんか?」

その日は、スパーダにとって最高の一日になる筈だった。
叫竜の出没はなく、当然FRANXXの出撃はない。つまり休日。天気も良し。管理官から外出の許可もとっている。以前訪れた海は、ルカもいたく気に入っていた。二人で散歩するには絶好のロケーションである。
鼻歌を口ずさみながら、スパーダはルカを探して宿舎の中を歩き回っていた。
しかし中々見つからない。焦れてきた頃、管理官から招集がかかった。そこで告げられた内容に、スパーダは頭から地の底へ真っ逆さまに落とされたような感覚へ陥ることとなる。
「パートナーシャッフルを行う。これからは、アスラにシンク、ローレライにスパーダが搭乗してくれ」
スパーダと同じように知らされていなかったらしいジーニアスたちが、目を丸くしてスパーダを見やる。しかしそんな視線など気にならず、スパーダの視界はルカしか見えなかった。何かを決意したように前を向き、こちらに一切目を向けようとしない、パートナーを。
「ル、ルカ……?」
彼の言葉が欲しかった。冗談だよ、とかそんな軽い言葉を聞きたかった。しかしルカは目を伏せて一言。
「ごめんね、スパーダ」
スパーダの視界が、真っ暗に染まる。彼はそのまま文字通り、ひっくり返ってしまったのだった。


テイルズ

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