走馬灯








銃声がこだまする。

歳三は腹部に熱い何かを感じた。
それは一瞬で、激痛に変わる。

「ぐっ…!!」

叫びたい衝動を抑えた。
今部下に動揺が走ってはいけない。


手綱を強く掴む。



嗚呼




遠くであいつらが笑っている。



近藤さん。
総司。
斎藤。
井上さん。
山南さん。
新八。
原田。
平助。
山崎。
島田。




そして、雪村千鶴…






脂汗が浮き出る。
空いている手で押さえた部分からの出血が激しい。


段々と力が抜けていく。
手綱を掴む手も堪えれそうにない。



ぐらり…

身体が傾いた。



冷静に判断した。
これが自分の最期だと…


身体がゆっくりと落ちていく。


嗚呼…




何故か、あいつが泣いている様な気がした。


「泣くんじゃねえよ…」








どうか


お前は幸せに…









End



土方歳三の最期はこんな感じかな…と。








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