6.







夢を見た。


とても、とても。
懐かしい夢。


初めて楸とsexをした時の夢。






私たちは、小さい頃から家が隣同士で。
母同士も仲が良くって。
幼馴染だった…


少しフランスの血が入っている私はよく苛められていて…
それを守ってくれていたのは、楸だった。


楸は小さな頃、とても可愛くて…
皆から好かれていた。
それも苛めに関係していたのかもしれないと。
大きくなってから思うようにはなったのだけれども。


ずっと、隣に楸がいてくれる事が当たり前のように感じて。
その通りに現実はなっていった。


大好きなお隣さん。
中学を卒業する頃には。
私たちは、お互い好き合って、付き合っていた。





高校に上がって、まもなくの頃。
私たちは初めてsexを体験した。



お互い初めてで、知識も無かったけど。
それでも、幸せだった。


楸は前からブラを外そうとするけど上手くいかなくて。
困ったようにはにかみながら、もどかしげに

『ブラ、どうやって外す?』

その言葉に、愛しさを感じた。

『私、外すよ。』

『ん。じゃあ…後ろ向いて見せてよ。』
次の参考にするから…

と、顔を赤らめながら呟いて。
私は言われるがままに、後ろを向きブラを外した。




お互い裸になると、恥ずかしくて。
布団をかぶって笑った。




抱き合うと、お互いの体温と鼓動が直に聞こえてきて…
気が高揚した。


何度もキスをして。
拙い愛撫だったけど。
それでも、好きな人に触れられる事に感じて、濡れていて。
それが、またお互いの興奮を高めていって…


初めて、楸を受け止めた時。
凄く痛くて泣いてしまったけれど、嬉しかった。


何度も何度も楸はキスをしてくれて。
でも、どんどんのめり込むように、行為に没頭していった。




奥深くに何度も突き上げられて。
息も意識も遠くに行きそうになる頃、胎内に楸とは別の熱を感じて。
楸の体の重さを受け止めた。








『ずっと、傍に居て。僕だけのアンジェ』







楸は杏樹の事をそう言う。
母が名付けたかった名前だ。

だけど、その名ではなく、杏樹と名がついた。
余程の未練があったのか、母は今も私を『アンジェ』と呼ぶ。

小さな頃から。

楸も、そう呼ぶように母に言われ続けたせいか。
それを知っている彼は、私の事をそう呼ぶ。










目元に涙を湛え、目が覚めた。

何時も思うのは、





あの頃が懐かしい











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