ワタシノイシ | ナノ

  1


日も、徐々に上がり始めた頃に、私は、目を覚ました。ココロモンや他の皆は、まだ寝ているみたいだ。皆を起こさないように気を付けながら、私は、目の前の湖に顔を洗いに向かった。













(良かった…アザになってない。)


私は、湖の水面に写る自分の顔を見て、安心した。昨日の夜中のぶつけた所が、アザになっていないか心配だったから…。一安心したので、もう一度、顔を洗った。すると、後ろから、声をかけられた。


「カノンちゃん。もう、起きたのか?。」


「ヤマトさん。はい、おはようございます。」

「あぁ…おはよう。」


ヤマトさんは、挨拶を返すと、手袋を外して、顔を洗った。それから、周りの風景をぐるっと見渡していた。何か考えてるみたい。


(やっぱり…夢じゃないんだな…。)






「あの…ヤマトさん?。」

「何だ?」


しばらくして、私は、丁度良い機会だから、ヤマトさんに気になってたことを聞いてみることにした。タケル君が、何で、ヤマトさんの事をお兄ちゃんと呼んでいるのかを…。


「あぁ…タケルとは、本当の兄弟なんだ。今は、両親が離婚してて、離れて暮らしてる。」


「そうなんですか…。」


なんだか、いけないことを聞いてしまった気がする。そんな私を見て、ヤマトさんは、話題を変えてくれた。


「カノンちゃんは?兄弟は居るか?」


「はい。兄さんがいます。すごく歳が離れてますけど…。」


それから、私は、ヤマトさんに兄さんの事を話した。兄さんは、もう、社会人で働いている。忙しい合間をぬって、私の面倒を見てくれる優しい人だと話した。


「そうか…良い兄さんだな。」

「はい。」







その後…後ろからの私とヤマトさんを呼ぶ声が聞こえて、私達は、それぞれ、呼んだパートナーの方へ、向かった。その時には、皆、起き始めていた。
















_______


ゴォォォォォォ


「なんの音だ?」


そう言って、足を止めたのは、太一さん。
森の中を歩いていると、空からすごい音が聞こえて、皆、足を止めて、空を見た。丸くて黒い何かが、何処かへ飛んで行くのが見えた。


「歯車みたいだったな…。」

「空飛ぶ円盤じゃないの?」

「歯車型の隕石だったりして…。」


上から、ヤマトさん、空さん、ミミちゃんは、見たものをそれぞれそう言った。


「何にしても…良い感じのするもんじゃないなぁ…。」


丈さんが、そう言った。確かに良いものじゃない気がする。


ガタッ

「うわぁ!」

「大丈夫か?タケル?。」

歩いていたタケル君が、地面につまづいて転けた。駆け寄った太一さんに抱き上げられる。その様子をヤマトさんは、複雑な顔で見ていた。

「イタタタ……うん。がまんする。」

「我慢しなくて良いのよ?痛かったら痛いっていっていいんだから。」


優しい声で言う空さんの言葉に、タケルは、少し痛いと答える。心配したパタモンは、駆け寄り声をかける。

「大丈夫ー?タケリュー?」

「あんさんに、いわれとおないな。」


そのテントモンの言葉にドッと笑い起きる。私は、笑った後に、ココロモンに声をかける。


「フフッ。ココロモン。」


「うん。タケル。怪我見せて?」


あの時と同じように、怪我したところを、ヒーリングでココロモンは、治した。





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