ワタシノイシ | ナノ

  2


ゴンッ


「痛っー―?!」


路面電車の床に頭ぶつけて、眠気が吹っ飛んだ…。何か夢を見ていた気がするけど…忘れてしまった。あと電車の中が…ゆ、揺れてる。


「あ、おはよう。カノン〜。」

「コ、ココロモン、まだ、外暗いよ。」



ココロモンは、なんともないみたい、まだ、痛む所を押さえながら、何とか返事をした。


「何なの?」


まだ、揺れは続いている、丈さんは、動き出したって言ってるけど、違った。


「モンスターです!。モンスターがでたんだ?!」


「とにかく外へでましょ!」


また、凶暴なデジモンが出てきたみたい。私達は、路面電車から一度でる。皆、早く出ていってしまう。


「カノン、大丈夫?」


「だ、大丈夫だよ。(まだ、痛い。)」


まだ、少しだけ痛い…。よろよろしながら、私は、外へでた。外の地面もグラグラしてる。


「カノンちゃん。大丈夫?」

「うん。もう、平気。なにが起きてるの?」

「あ、あれを見て!」


ミミちゃんに大丈夫と言って、何が起きてるのかを聞いた。ミミちゃんは、湖の方を指した。その方向を見ると、


「え……?。」

「シードラモンよ。」


細長い青い体の蛇かな?それが、島を引っ張っている。パルモンがシードラモンと言う名前だと教えてくれた。


「シードラモンは、大人しいデジモンの筈なのに…。」

「あんさんらなんか悪いことしたんとちゃいますか?」


テントモンが見張りをしていた太一さんとアグモンに聞いた。太一さんは、なにもしていないと言っている。それから、たき火の近くにあった紅い葉っぱが動いた。

「あ、あれは、アイツの尻尾だったのか?!」


「やっぱ、あんさんらのせいや〜。」


シードラモンは、私達の居る場所をどんどん引っ張ってる。


ドオォォン



鉄塔へ当たって、なんとか、止まった。でも、何処にも逃げられない。


「エアーショット。」

「マジカルファイヤー。」

「プチサンダー。」

「アイスボール。」


アグモンの掛け声で、デジモン達は、一斉にシードラモンに攻撃した。だけど、全然きいていないみたい。


「アグモン!進化だ。」

「さっきからやろうとしてるけど…出来ないんだ。」

太一さんがアグモンに進化するよう言うが、アグモンは、進化出来ないと言っている。


「タケルー!」

「お兄ちゃん!」

「ヤマト君!」


タケル君を呼ぶヤマトさんの声に、島に居なかったヤマトさんは、泳いで向かっていた。タケル君は、ヤマトさんの近くへ寄っていくが、グラリと地面が揺れてタケル君が、落ちてしまう。


「うわぁ?!」

「まかせて!」


ゴマモンがすぐに、タケル君を助けに入ってタケル君は、無事だった。


「良かった…。」

「良いぞ!ゴマモン。」

「ヤマト!シードラモンや。」

ヤマトさんは、テントモンの言葉を聞いて、一度、シードラモンを見ると、タケル君をゴマモンに任せた。そして、シードラモンの方へ、泳いでいく。


「タケル君、大丈夫?」


「うん、大丈夫。お兄ちゃん!」

岸に上がったタケル君の所へ言って、私は、声をかけた。タケル君は、大丈夫と言って、ヤマトさんの方をみる。


「プチファイヤー!」


ヤマトさんの後ろをついて泳いでいたガブモンが攻撃するが、シードラモンの尻尾で、とばされてしまう。

「ガブモン。うわぁ?!」

「お兄ちゃん!」

「ヤマト!」


ヤマトさんが湖の中に、引きずり込まれた。再び出で来たときは、尻尾で締め上げられている。一度、捕まえると息絶えるまで、離さないと、テントモンが言っていた。
タケル君は、何回も、ヤマトさんを呼んでいる。


「パタモン、お兄ちゃんを助けて!」

「僕には、そんな力は……ガブモン、お前なら…。」

パタモンの問いに、無理ですとガブモンは、言う。そんな、ガブモンを見ていたココロモンが、ガブモンの元へ、走って叫んだ。


「ガブモンのパートナーなんだよ!助けなくちゃ!」

「ココロモン…でも…?!。」


弱気なガブモンの元へ、ヤマトさんの悲鳴が聞こえてきた。


(もぅ…あの音色が聞けなくなるなんて……。)


「ヤマトォォォォ。」



その叫びに答えるようにして…ガブモンが進化した。






「ガブモン、進化。ガルルモン。」




また、進化した。
ガブモンが、ガルルモンに進化すると、一気にこっちが有利になった。ヤマトさんを掴む尻尾を攻撃して助けた。ヤマトさんは、此方へ、泳いできて、無事だ。
チョコマかと動くガルルモンに惑わされている。時々、毛がシードラモンにあたっていたがっている。


「ガルルモンの毛並みは、伝説の金属ミスリル並の硬度なんや。」

「伝説の金属って?」


光子郎君が、伝説の金属がどんなのか聞いてるけど、伝説だから、実際には知らないと、テントモンは、答えた。


「物知りなんだか、そうじゃないんのか、わかんないな…。」

「そうですね。」


デジモンの事は、誰よりも詳しいのにね。


「あ、あれは、シードラモンの必殺技、アイスアローや。」

「フォクスファイヤー!」

ガルルモンの攻撃があたり、シードラモンは、口から煙を吐きながら倒れていった。
その頃には、日が出でき始めていた。





















そのあと、私達は、ゴマモンの技で、陸へ戻った。今は湖の近くに集まっている。


「何故、ガブモンだけが進化したのでしょうか?」

「もしかして、ヤマト君が、ピンチだったから?」


光子郎君の疑問に、空さんがそう言った。太一さんも、アグモンが進化したのは危機一発だったと…。その会話を聞きながら、私は、ココロモンに聞いた。


「ココロモンもまだ、進化するの?」

「うん。ふわぁ〜。」

「眠い?」

「うん。おやすみ〜。」

「おやすみ。」


周りの皆も、寝ている。野宿を嫌がってたミミちゃんも…寝ていた。


「ふわぁ〜。カノンちゃんも、少し寝ろよ。」

「あ、はい。太一さん。ふわぁ。」


何処からか来たハーモニカの心地よい音色を聞きながら、私は、目を閉じた。





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