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ゴンッ
「痛っー―?!」
路面電車の床に頭ぶつけて、眠気が吹っ飛んだ…。何か夢を見ていた気がするけど…忘れてしまった。あと電車の中が…ゆ、揺れてる。
「あ、おはよう。カノン〜。」
「コ、ココロモン、まだ、外暗いよ。」
ココロモンは、なんともないみたい、まだ、痛む所を押さえながら、何とか返事をした。
「何なの?」
まだ、揺れは続いている、丈さんは、動き出したって言ってるけど、違った。
「モンスターです!。モンスターがでたんだ?!」
「とにかく外へでましょ!」
また、凶暴なデジモンが出てきたみたい。私達は、路面電車から一度でる。皆、早く出ていってしまう。
「カノン、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ。(まだ、痛い。)」
まだ、少しだけ痛い…。よろよろしながら、私は、外へでた。外の地面もグラグラしてる。
「カノンちゃん。大丈夫?」
「うん。もう、平気。なにが起きてるの?」
「あ、あれを見て!」
ミミちゃんに大丈夫と言って、何が起きてるのかを聞いた。ミミちゃんは、湖の方を指した。その方向を見ると、
「え……?。」
「シードラモンよ。」
細長い青い体の蛇かな?それが、島を引っ張っている。パルモンがシードラモンと言う名前だと教えてくれた。
「シードラモンは、大人しいデジモンの筈なのに…。」
「あんさんらなんか悪いことしたんとちゃいますか?」
テントモンが見張りをしていた太一さんとアグモンに聞いた。太一さんは、なにもしていないと言っている。それから、たき火の近くにあった紅い葉っぱが動いた。
「あ、あれは、アイツの尻尾だったのか?!」
「やっぱ、あんさんらのせいや〜。」
シードラモンは、私達の居る場所をどんどん引っ張ってる。
ドオォォン
鉄塔へ当たって、なんとか、止まった。でも、何処にも逃げられない。
「エアーショット。」
「マジカルファイヤー。」
「プチサンダー。」
「アイスボール。」
アグモンの掛け声で、デジモン達は、一斉にシードラモンに攻撃した。だけど、全然きいていないみたい。
「アグモン!進化だ。」
「さっきからやろうとしてるけど…出来ないんだ。」
太一さんがアグモンに進化するよう言うが、アグモンは、進化出来ないと言っている。
「タケルー!」
「お兄ちゃん!」
「ヤマト君!」
タケル君を呼ぶヤマトさんの声に、島に居なかったヤマトさんは、泳いで向かっていた。タケル君は、ヤマトさんの近くへ寄っていくが、グラリと地面が揺れてタケル君が、落ちてしまう。
「うわぁ?!」
「まかせて!」
ゴマモンがすぐに、タケル君を助けに入ってタケル君は、無事だった。
「良かった…。」
「良いぞ!ゴマモン。」
「ヤマト!シードラモンや。」
ヤマトさんは、テントモンの言葉を聞いて、一度、シードラモンを見ると、タケル君をゴマモンに任せた。そして、シードラモンの方へ、泳いでいく。
「タケル君、大丈夫?」
「うん、大丈夫。お兄ちゃん!」
岸に上がったタケル君の所へ言って、私は、声をかけた。タケル君は、大丈夫と言って、ヤマトさんの方をみる。
「プチファイヤー!」
ヤマトさんの後ろをついて泳いでいたガブモンが攻撃するが、シードラモンの尻尾で、とばされてしまう。
「ガブモン。うわぁ?!」
「お兄ちゃん!」
「ヤマト!」
ヤマトさんが湖の中に、引きずり込まれた。再び出で来たときは、尻尾で締め上げられている。一度、捕まえると息絶えるまで、離さないと、テントモンが言っていた。
タケル君は、何回も、ヤマトさんを呼んでいる。
「パタモン、お兄ちゃんを助けて!」
「僕には、そんな力は……ガブモン、お前なら…。」
パタモンの問いに、無理ですとガブモンは、言う。そんな、ガブモンを見ていたココロモンが、ガブモンの元へ、走って叫んだ。
「ガブモンのパートナーなんだよ!助けなくちゃ!」
「ココロモン…でも…?!。」
弱気なガブモンの元へ、ヤマトさんの悲鳴が聞こえてきた。
(もぅ…あの音色が聞けなくなるなんて……。)
「ヤマトォォォォ。」
その叫びに答えるようにして…ガブモンが進化した。
「ガブモン、進化。ガルルモン。」
また、進化した。
ガブモンが、ガルルモンに進化すると、一気にこっちが有利になった。ヤマトさんを掴む尻尾を攻撃して助けた。ヤマトさんは、此方へ、泳いできて、無事だ。
チョコマかと動くガルルモンに惑わされている。時々、毛がシードラモンにあたっていたがっている。
「ガルルモンの毛並みは、伝説の金属ミスリル並の硬度なんや。」
「伝説の金属って?」
光子郎君が、伝説の金属がどんなのか聞いてるけど、伝説だから、実際には知らないと、テントモンは、答えた。
「物知りなんだか、そうじゃないんのか、わかんないな…。」
「そうですね。」
デジモンの事は、誰よりも詳しいのにね。
「あ、あれは、シードラモンの必殺技、アイスアローや。」
「フォクスファイヤー!」
ガルルモンの攻撃があたり、シードラモンは、口から煙を吐きながら倒れていった。
その頃には、日が出でき始めていた。
そのあと、私達は、ゴマモンの技で、陸へ戻った。今は湖の近くに集まっている。
「何故、ガブモンだけが進化したのでしょうか?」
「もしかして、ヤマト君が、ピンチだったから?」
光子郎君の疑問に、空さんがそう言った。太一さんも、アグモンが進化したのは危機一発だったと…。その会話を聞きながら、私は、ココロモンに聞いた。
「ココロモンもまだ、進化するの?」
「うん。ふわぁ〜。」
「眠い?」
「うん。おやすみ〜。」
「おやすみ。」
周りの皆も、寝ている。野宿を嫌がってたミミちゃんも…寝ていた。
「ふわぁ〜。カノンちゃんも、少し寝ろよ。」
「あ、はい。太一さん。ふわぁ。」
何処からか来たハーモニカの心地よい音色を聞きながら、私は、目を閉じた。
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