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私達は、近くの湖でキャンプをすることになった。そこには、何故か、中央の小島に真新しい路面電車があった。湖には、鉄塔が幾つかある。あの電話ボックスといい、何であるのかは分からない。けれど、この中なら眠れそう。
「カノン、カノン、これ、食べれるよ。」
「うん、わかった。持っていくね。」
手分けして夕食の準備、光子郎君とタケル君は、魚釣り、丈さんと空さんは、まきひろい、他の皆は、食べられる木の実や果物を探してます。
今、私とココロモンは、湖の近くで食べられる木の実や果物を探してます。ココロモンが言った木の実を採ったら、両手いっぱいになったので、元来た道を、戻っていた。
「なにかな…あの光…?」
「カノンのも光ってるよ!」
「え…?」
横道の方で何かが光ってる。ココロモンに光ってると言われて、鞄にあるあの四角い機械を取り出した。
持っていた木の実を近くに、置いて見る。確かに光ってる。
「本当だ…光ってる。」
「行ってみよ!カノン。」
「あ、待ってよ!ココロモン。」
気になったので、私とココロモンは、その光の方へ行ってみることにした。
光っている場所は、少し歩いた場所にあった。そこは、私より高い場所で、何かが光っている。
「キレイだね〜。」
「これが…光っているの?キャァ?!」
眩しさに私は、目を細める。そしたら、四角い機械とあの光がより大きく光出した。
「え……?」
「入っちゃったね…。」
眩しい中、あの光は、機械に入っていった。そしたら、光は、だんだんと収まって、見えなくなった。
「な、何が入ったの…?」
試しに降ってみたり、ボタンを押してみてもさっきみたいにはならなかった。
「なにもおきないね。」
「うん…。」
私は、鞄に機械を戻す。何だったんだろう……?
「カノンちゃーん。」
「カノン君、何処だい?」
「あ?!いけない。」
空さんと丈さんが、呼ぶ声が聞こえて、私は、ココロモンを抱き上げて、二人の元へ戻った。
何してたの?と空さんと丈さんにさっきの事を聞かれたけど、私にも、ココロモンにも分からない。なので何でもないと言った。
「そう?なら、良いけど…。」
「もうそろそろ、魚が焼き上がる頃だからね…。他のも、十分集まってるよ。」
湖の方を見ると、煙が上がっている…。
「はい、行きましょう。」
集めてきた木の実や果物を持ち直して、湖へ戻る。
「そう言えば…カノン君。」
「何ですか?。」
途中、ふと思い出したように、丈さんが、私に聞く。
「君の名前がサマーキャンプの栞にかいて無かったから……。」
少し気になって…どのグループなんだい?。と、丈さんは、聞いた。空さんも気になってたみたい。
子供会のサマーキャンプは、自然に触れることも大切なことだけど、集団で行動することも大切だ。幾つか班に別れてるけど私は、どの班にも入っていない。
「本当は、私は、サマーキャンプには、欠席で申し込んでたんです。」
確かに、自分で欠席と連絡した。けど……。
「じゃあ、なんで、参加しているんの?」
「昨日…兄さんが、急に、行ってきなさいって…。」
「お兄さんが?」
私は、頷いた。そして、さっき丈さんが、尋ねた班には、入っていない。私は、担任の先生と行動している。
私は、昨日の家での兄さんとの話を思い返す。
「カノン。」
「何?兄さん。」
「明日、サマーキャンプなんだよな?隣の泉さんに聞いたよ。」
「そうだけど…私は、行かないって、連絡したから…。光子郎君は、行くんだって。あ、ミミちゃんも。」
14歳の離れた兄(青葉)は、大学を中退して働いて、私の面倒を見てくれてる。両親は、私が、小さい頃に亡くなってからずっと、そうだ。
「やっぱり…か。俺に話をせずに勝手に…。」
「だって、行くのは私だよ?」
子供会の会費のかかるものは、自分で断っている。案内の用紙は、隠しているけれど、いつも、隣の光子郎君のお母さんに聞いた。と…言われてしまう。
「はぁ…カノン。俺に気を使わなくていい…。行ってこい。」
「何で?」
「しばらく、仕事で家をあけるからだ。」
子供会の会長さんには、話して、私の欠席を出席に変えてもらったと…キャンプの準備をしてない私の荷物を机に出しながら兄さんは、言った。しばらく、言い合いがずっと続いて、光子郎君の両親が来て(隣に聞こえてたみたい)、兄さんに味方して…私は、折れた。
兄さんは、どうしても、私をキャンプに行かせたいみたいだった。何かあるのかな…。
その後で聞いたある電話の話し声を聞いて…今日、兄さんとは、話さずに家を出た。
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