ワタシノイシ | ナノ

  2


非常食は、3日分支給されている。丈さん達の班は、6人だから、54食。それを、8人でわけると、2日半……デジモン達を入れると、1日ちょっととなる。

「俺たちは、良いよ。自分達で探してくるから。」


ガフモンが、非常食を断った。他のデジモン達も、自分達で、探して、食べると、言っていた。これが、当たり前らしい。


「ココロモン。良いの?」

「うん。ココロは良いの。」


ココロモンに聞くと、同じ返事が返ってきた。


「そうしてくれると助かるよ。じゃ、これは人間用って、ことで……。」


丈さんが、そう言った矢先、太一さんがアグモンに、分けていたのを、見て怒っていた。











「……。」


それから、一食分の非常食を皆でわけて、食べていた。ココロモンが、欲しそうに見てる。丈さんの方をチラッとみてから、少しだけ、わけて上げた。


「少し食べてみる?」


小声で、私はココロモンに差し出した。ココロモンは、嬉しそうに頷き、食べて、笑顔を返してくれた。
おいしいと言いそうなココロモンの口はふさいだ。

丈さんには、バレてないよね……。





ザザッ波の音が心地よい。




「……!」


「ココロモン?」


耳がピクピクと動いて、ココロモンは海をみる。ピヨモンも、立ち上がって、海をみた。



「ピヨモン?」


「…来る…。」


ピヨモンが、そう言ったとき、電話ボックスが水流によって、次々と破壊されていった。




「?!」




私達は驚いて海岸に、離れた。
水流であげられた電話ボックスが、ボロボロに……。


次々と、砂浜に落ちていく。


全てが落ちたとき、一部の砂浜から、巨大な貝をもったデジモンが、雄叫びを上げて出てきた。




「シェルモンや!」

「シェルモン?!」


大きな貝をもったピンクの体のデジモンは、シェルモンと言う見たい。一番の物知りのテントモンが、言った。
ここは、アイツの縄張りだったみたいで、私達が居ることに腹をたてている。



「皆、此方へ?!」



「!?」


丈さんが、 上に上がりながら叫んだ。その途端、シェルモンの水鉄砲が、丈さんに向かって放たれて、落とされた。
逃げれない……。



「皆、行くぞ?!」


アグモンが、デジモン達にいって攻撃を仕掛ける。


「ベビーフレイム。」

「アイスボール。」


アグモンとココロモンの攻撃は当たった。他のデジモンも続こうと攻撃するが……。


「プチふぁいぁぁ…あれ…?。」


「マジカルファ……?。」

「プチサンだぁぁ…?。」

技が出ないみたいで、あれ?と止まる。
シェルモンは、まだまだ、元気のようで、デジモン達に、攻撃する。
パタモンやパルモンも攻撃しようとするが、技が出ない。


「ベビーフレイム。」


「アイスボール。」


2匹の攻撃は、再びシェルモンにあたる。


「何故?アグモンとココロモンだけが?」


「すんません…腹へって?。」


他の皆も口々にお腹が空いて力が出ないと、言う。



「そうか?アグモンは、さっきご飯食べたから。」


「他のデジモンには、戦う力はないのか…。」


そうみたいだ。2匹は、一生懸命攻撃するが…シェルモンには、聞いてないみたいだ……。



「アイスボ……わぁ?!。」


「ココロモン!大丈夫?」

私は、ココロモンに駆け寄り、抱き上げた。



「カノン……ごめん。」

「ううん。ありがとう。」

私は、ココロモンと一緒にその場から急いで離れた。

アグモンは、まだ元気みたいで……シェルモンに立ち向かってる。太一さんも、壊れた電話ボックスのガラクタを使い、攻撃している。


「うわぁ?!」


「た、太一!わぁ?!」



シェルモンが…触手で、太一さんを掴んだ…アグモンも…手の様なものの下敷きに……。



「太一さん…きゃぁ?!」


シェルモンは、さっきより激しく暴れ、水鉄砲で私達を攻撃した…。


「カノン…。」


「私は、大丈夫…。ココロモンは?」


「うん。ココロは、大丈夫…?!…。」


ココロモンは、大丈夫見たい。そして、シェルモンの方を見ると、アグモンのいる手の辺りが光ってる……。また、進化するの?


「アグモン進化〜。グレイモン!」







「メガフレイム!」


大きな橙色の竜の姿に進化したグレイモンは、あっというまに、シェルモンを倒してた。



(…あれ?。)




グレイモンを、始めてみた気がしない…。




何処かで…見た気がする…。




どこだっけ?あの時も…?。




あの時って?




グレイモンが、アグモンに戻ってからも、私は、その事ばかり、考えていた。










「……さん。カノンさん!」





「?!あ…光子郎君…。」



遠くをみて考えていたので、近くにいる光子郎君に声をかけられるまで、気づかなかった。いつの間にかいない、ココロモンは、空さんの所で非常食を食べていた。



「どうかしましたか?」



「う、ううん。な、何でもないの?」



光子郎君に心配そう言われて、私は、何でもないと、笑顔で言った。だって、地球で、あんな大きな竜に会うはずはない。気のせいなんだ。


「…。」


「…本当だよ?」


怪しまれてる…当たり前だけど……。
光子郎君は、それ以上は、なにも言わずに私の鞄を渡した。


「ありがとう。」


「いえ、もうすぐ、この海岸を離れますから。」


私がボーッと、している間に、決まったのかな?私は、受け取った鞄を、背負い直しながら、思う。


「おーい、光子郎、カノンちゃん!そろそろいくぞ!」


太一さんが、私達を呼ぶ声がした。テントモンとココロモンも、私達を呼んでいる。


「行こうか。」


「はい。」










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