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非常食は、3日分支給されている。丈さん達の班は、6人だから、54食。それを、8人でわけると、2日半……デジモン達を入れると、1日ちょっととなる。
「俺たちは、良いよ。自分達で探してくるから。」
ガフモンが、非常食を断った。他のデジモン達も、自分達で、探して、食べると、言っていた。これが、当たり前らしい。
「ココロモン。良いの?」
「うん。ココロは良いの。」
ココロモンに聞くと、同じ返事が返ってきた。
「そうしてくれると助かるよ。じゃ、これは人間用って、ことで……。」
丈さんが、そう言った矢先、太一さんがアグモンに、分けていたのを、見て怒っていた。
「……。」
それから、一食分の非常食を皆でわけて、食べていた。ココロモンが、欲しそうに見てる。丈さんの方をチラッとみてから、少しだけ、わけて上げた。
「少し食べてみる?」
小声で、私はココロモンに差し出した。ココロモンは、嬉しそうに頷き、食べて、笑顔を返してくれた。
おいしいと言いそうなココロモンの口はふさいだ。
丈さんには、バレてないよね……。
ザザッ波の音が心地よい。
「……!」
「ココロモン?」
耳がピクピクと動いて、ココロモンは海をみる。ピヨモンも、立ち上がって、海をみた。
「ピヨモン?」
「…来る…。」
ピヨモンが、そう言ったとき、電話ボックスが水流によって、次々と破壊されていった。
「?!」
私達は驚いて海岸に、離れた。
水流であげられた電話ボックスが、ボロボロに……。
次々と、砂浜に落ちていく。
全てが落ちたとき、一部の砂浜から、巨大な貝をもったデジモンが、雄叫びを上げて出てきた。
「シェルモンや!」
「シェルモン?!」
大きな貝をもったピンクの体のデジモンは、シェルモンと言う見たい。一番の物知りのテントモンが、言った。
ここは、アイツの縄張りだったみたいで、私達が居ることに腹をたてている。
「皆、此方へ?!」
「!?」
丈さんが、 上に上がりながら叫んだ。その途端、シェルモンの水鉄砲が、丈さんに向かって放たれて、落とされた。
逃げれない……。
「皆、行くぞ?!」
アグモンが、デジモン達にいって攻撃を仕掛ける。
「ベビーフレイム。」
「アイスボール。」
アグモンとココロモンの攻撃は当たった。他のデジモンも続こうと攻撃するが……。
「プチふぁいぁぁ…あれ…?。」
「マジカルファ……?。」
「プチサンだぁぁ…?。」
技が出ないみたいで、あれ?と止まる。
シェルモンは、まだまだ、元気のようで、デジモン達に、攻撃する。
パタモンやパルモンも攻撃しようとするが、技が出ない。
「ベビーフレイム。」
「アイスボール。」
2匹の攻撃は、再びシェルモンにあたる。
「何故?アグモンとココロモンだけが?」
「すんません…腹へって?。」
他の皆も口々にお腹が空いて力が出ないと、言う。
「そうか?アグモンは、さっきご飯食べたから。」
「他のデジモンには、戦う力はないのか…。」
そうみたいだ。2匹は、一生懸命攻撃するが…シェルモンには、聞いてないみたいだ……。
「アイスボ……わぁ?!。」
「ココロモン!大丈夫?」
私は、ココロモンに駆け寄り、抱き上げた。
「カノン……ごめん。」
「ううん。ありがとう。」
私は、ココロモンと一緒にその場から急いで離れた。
アグモンは、まだ元気みたいで……シェルモンに立ち向かってる。太一さんも、壊れた電話ボックスのガラクタを使い、攻撃している。
「うわぁ?!」
「た、太一!わぁ?!」
シェルモンが…触手で、太一さんを掴んだ…アグモンも…手の様なものの下敷きに……。
「太一さん…きゃぁ?!」
シェルモンは、さっきより激しく暴れ、水鉄砲で私達を攻撃した…。
「カノン…。」
「私は、大丈夫…。ココロモンは?」
「うん。ココロは、大丈夫…?!…。」
ココロモンは、大丈夫見たい。そして、シェルモンの方を見ると、アグモンのいる手の辺りが光ってる……。また、進化するの?
「アグモン進化〜。グレイモン!」
「メガフレイム!」
大きな橙色の竜の姿に進化したグレイモンは、あっというまに、シェルモンを倒してた。
(…あれ?。)
グレイモンを、始めてみた気がしない…。
何処かで…見た気がする…。
どこだっけ?あの時も…?。
あの時って?
グレイモンが、アグモンに戻ってからも、私は、その事ばかり、考えていた。
「……さん。カノンさん!」
「?!あ…光子郎君…。」
遠くをみて考えていたので、近くにいる光子郎君に声をかけられるまで、気づかなかった。いつの間にかいない、ココロモンは、空さんの所で非常食を食べていた。
「どうかしましたか?」
「う、ううん。な、何でもないの?」
光子郎君に心配そう言われて、私は、何でもないと、笑顔で言った。だって、地球で、あんな大きな竜に会うはずはない。気のせいなんだ。
「…。」
「…本当だよ?」
怪しまれてる…当たり前だけど……。
光子郎君は、それ以上は、なにも言わずに私の鞄を渡した。
「ありがとう。」
「いえ、もうすぐ、この海岸を離れますから。」
私がボーッと、している間に、決まったのかな?私は、受け取った鞄を、背負い直しながら、思う。
「おーい、光子郎、カノンちゃん!そろそろいくぞ!」
太一さんが、私達を呼ぶ声がした。テントモンとココロモンも、私達を呼んでいる。
「行こうか。」
「はい。」
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