ワタシノイシ | ナノ

  1


地面が崩れる…。




落ちる。




「きゃぁぁぁぁ!!」



私は、落ちると分かった瞬間、ココロモンを、抱き締めて、目を固く閉じていた。













ポスッ


「カノン。大丈夫だよ。」


「え?本当だ…。」


ココロモンにそう言われて、目を開けると、小さな魚の絨毯?みたいなのに、乗っていた。


「カノン…あと、苦しい。」


「あ、ごめんね。」


凄く強く抱いていた見たい…。ココロモンは、私の腕から解放されると、大きく深呼吸していた。



「た、助かった…。」



と、太一さんの声が聞こえた。助かったんだと思ったとき……


「お、おい、アレ?!」



と、前にいたヤマトさんが後ろを指差して言っていた。
皆が後ろを見る。


「?!」


見ると、クワガーモンと崩れた瓦礫が、私たちと同じように、落ちている…。




このままじゃ…私たちの上に…落ちる。



「急げぇぇぇぇ!!」



との声に、魚達は、泳ぐスピードを上げた。
何とか避けたけど、ユラリと、波が大きくなり、流れる速度も早くなった。



「きゃぁぁ!」



魚の絨毯から、落ちないようにするのが精一杯だった。




波が落ち着くまで流されて、それから、やっと、地面に降りれた。






「やっと、本当に助かったみたいだな……。」


地面の感触にホッとする。
ココロモンは、体の毛を大きく震わせていた。水気を飛ばしていた。まるで、犬みたい。


(そういえば……。)


と、背中の鞄が濡れていないか、手を伸ばしてみた。大丈夫みたい。


「なんだったんだ……アレは……?。」


と、丈さんが呟いた。


「あれはね、マーチングフィシーズさ。」


オイラ、魚を自由に操れるんだ。と、続けて、言った。


「そっか、お前のおかげだったのか。ありがとう、プカモンじゃなくて……。」

「ゴマモンだよ。」


と、ゴマモンは、丈さんに言った。



「どうなっちゃったの?トコモンは?」


「今は、パタモンだよ。」

タケル君のトコモンはパタモンって、いうのか……。


「ココロモンも、コアモンから、変わっちゃったね。」

「うん。進化したんだよ?」


「進化?」


私は、しゃがんで、ココロモンをじっと見ていった。ココロモンからは、元気な声が帰ってきた。



「そう、ボクたち進化したんだ。」


と、デジモン達を代表して、コロモンが進化したデジモンが言った。


「進化?進化って?」


と、太一さんが聞いた。


「普通はある種の生物全体がより高度な種になることですけど…。」

さすが、光子朗くんだなぁ。進化の意味を言っていた。

「そう、その進化ですがな。わては、モチモンからテントモンに。」


「あたしは、ピョコモンからピヨモンに。」

「オレは、ツノモンから、ガブモンに。」

「あたしは、タネモンからパルモンに。」

「そして、ボクは、コロモンから、アグモンに。」


と、テントモンに続いて他のデジモン達もそう言った。



「ふぅん。とにかく、前より強くなったみたいだな。」



と、周りのデジモン達を見ながら、太一さんは言った。
進化しても、デシタルモンスターって、言うみたい。太一さんの疑問に答えたアグモンが、嬉しそうに言う。進化したのは、タイチのおかげだと、一人では、進化できなかった。



「ココロも、カノンのお陰なんだよ〜。」


「ココロモンも?」


「うん。カノンのお陰だよ〜。」


ココロモンは、尻尾を振って、喜んでいった。そう言われても…私は、なにもしてないのにね。






______



「それより、これからどうする?」


ヤマトさんが、皆にそう言った。


「だったら、もといた場所に戻ろうよ。」


そこで、大人達の助けをまとうよ。と丈さんは、言った。


「戻るっていってもなぁ……。」



「どうやって戻るんです?」


あの高い崖にある森に戻るのは難しそう…。



「それは…。」



私が聞くと、丈さんは、考え込んだ。


「ずいぶん流されちゃったしね……。」

と、今までいた崖を見ながら空さんがいった。ヤマトさんも、崖の上に上るのは難しという。


「じゃあ、どうしたらいいんだ…どこが道を探して…。」


「だいたい、ここは、何処なんだ?!どうみても、キャンプ場の近くじゃないぜ。」


ヤマトさんの言う通り、どうみても、キャンプ場の近くじゃないことは、わかる。


「そうですね。植物が亜熱帯みたいだ。」

光子朗君もあたりの植物をみながら言う。


「ホンマや?!」


「え?わかるの?」


「いや。」


ノリでいったのかな…?テントモン。


「降りてきたんなら、戻る道もあるはずだ。」



「そうね。戻ってみれば、ここにきた手がかりがあるかもしれないわね。」


丈さんの言葉に、空さんがあの森に戻る事に賛成する。


「えー。でも、さっき、みたいなのが居るんじゃない?」


「居るわよ。」


ミミちゃんの問いに、パルモンが答える。


「ほらぁ……。」



「危険はおかしたくないな……。」


と、ヤマトさんが呟いていた。



「他の人間は?」


太一さんが、アグモンに聞いていた。


「人間?太一みたいな?」


と、アグモンが、聞き返す。そうだ。と、太一さんは、頷いたけど、アグモンは、知らないと言う。


「ここは、デジモンしか居ないんだ。」


「デジモンしかいない、いってもなぁ……お前ら結構、いろんな格好してるよなぁ。」


と、アグモンの言葉に、太一さんは、周りのデジモン達を見ながら、そう言った。私も、そう思う。

空さんが、別の話題を話す…。


「たしか、ファイル島って、いってたわよね…。」


「本当に、島なのか?」


「聞いたことない名前ですね…。」

「日本じゃあ、無いのか……。」


そう言えば、ここが何処なのかも分かっていない…。戻り方も分からない…。これから、どうすればいいんだろう…。



「とにかく行こうぜ?」


ここで、じっとしてても分かんない。と、太一さんは、皆に言って、川沿いに歩き始める。


「おい、待て、何処へいくんだ?」

ヤマトさんが、太一さんに呼び止めて聞いた。


「さっき、海が見えたんだよ。」


そう言って、太一さんは、歩き始めた。他のみんなも、太一さんに着いていった。


丈さんは、ゴマモンに言われるまで、何かをつぶやいていたみたい。






prev / next

[ back to top ]


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -