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そいつを見たとき…本当に驚いた。本当に知り合いにそっくりだった。違うのは、髪の長さ位で、それがないと全然分からなかった。棒術で、襲いかかって来るバクモン達を倒す少年を見ながら、僕は、思った。僕は、友達に聞いた名を思い出した。
(…源…輝二。)
写真を見たことがあったから、多分、あいつがそうなのだろう。棒を巧みに操りバクモン達をあっという間に倒した。だか一匹のバクモンの一言で、集まったバクモンにバーコードの様な物がまわりにあらわれる。
“…まずい…進化するよ!”
(進化?!)
“…スピリットを使った進化とは違う…通常の進化だよ…”
アースが進化すると呟いた。僕は、小声で、聞き返すと、そう教えてくれた。聞いている内にバクモン達は、ドロドロとしたものに進化した。アースによると、レアモンって、名前みたいだ。
“…気を付けて…アイツのヘドロは、どんなものも溶かすから…。”
「溶かしてやるー。」
レアモンがヘドロを出して攻撃してくる。僕達は、なんとか逃げる。途中…転けてしまった友樹を輝二(と呼んでおく事にする)が抱き抱えて助ける。
アースの言う通り、ヘドロが当たった所に穴が空いて光が差し込んだ。当たったら、怪我どころじゃないぞ…コレ。
僕は、純平と共に少し離れた所に逃げたけど…レアモンは、友樹と輝二の方を追い詰めて行く…。
「ヤだ?!何これ〜?くっさ〜い。」
「あ!友樹?!」
ちょうどよく、泉と拓也達が来てくれた。僕は、拓也にさっきのデジモンになってアイツを倒せないか聞いてみた。
「拓也!さっきのになれないか?」
「あぁ、分かった。」
と言って、拓也は、デジバイスのボタンをひたすら押して叫ぶが…何も反応がない。
「もしかして、拓也はん。スピリットを上手く使いこなせていないはら?」
「あ゛ぁあ…俺どうやって進化したんだぁ〜?。」
ボコモンの言う通り、拓也はどうやって進化したのか分かってなかった…。その間にも、二人はレアモンに追い詰められ、中央に空いている大きな穴の直ぐ側にいた。
「拓也!」
「スピリットーー!」
ようやく、拓也の叫びにスピリットが答えてくれて、アグニモンに進化した。素早く、二人の元へ行き、攻撃を防いだのだが…
「さぁ、今のうちに……え?。」
“…まだ、体が慣れてないみたいだね…。”
進化が解けてしまった。本人も、分からないようだ。それを見て、アースがそう呟いていた。と言うことは…次の攻撃は防げない。
「危ない!」
「……?!。」
レアモンが立ち上がって、攻撃してきた。友樹を咄嗟に庇った拓也だが…輝二を後の穴に突き落としてしまう。その穴に光が射し込んで来たとき…そこがさらに輝きだて現れたのは…
“…彼も、スピリットに選ばれていたみたいだね…。”
光の文字を持つ、白い狼の様なデジモンだった。
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