地の章 | ナノ

1



落ちたのが、運良く藁だったから僕達は助かった。出口を探しながら、二人から、追いかけられる経緯を詳しく聞いた。

“バグモンは…いじめっ子のデジモンなんだ…。”

「はぁ…何してんだよ。」

「だって、こんな世界早く帰りたいと思わないか?」

純平の意見に同意こそするが、聞く相手が悪い。その意見には賛成だ。だか、方法が間違ってる。


「だけど、聞くデジモンをちゃんと選べよ?!危険な奴だって居るんだぞ?!」

「それは俺も分かってるよ?!。」

「いや、分かってないだろ!最初は一匹だったかもしれないけど、大勢になってるじゃないか?!」

そう言うと、純平は、押し黙った。流石に言い過ぎたかもしれない。と、思っていると


「ねぇねぇ。司さんは何してたの?」




友樹が、今まで何をしていたのか聞いてきた。


「ぼ、僕は…さ、散歩してた?!」

「そうなの?」

「嘘臭いな…。」

「本当だ!」


本当の事を言ったら、純平に馬鹿呼ばわり、されてるからな…。散歩と言うことにした。素直な友樹は、信じてくれたが、純平は、信じてない。


「それより…こっちで道は、合ってるのか?。」

「えっと、ちょっと、待てよ…。」


僕が先導する純平に問うと、近くの枯れ草で風の流れを確かめた。

「風はこっちからふいてる。此方へいけば絶対出られるぜ!」

「いや、出られないぞ?」

「な、何でだよ?!」

自信満々な純平は、何故出られないのか分からなく、僕に問う。

「僕達が、同じ所を歩いてるから…な?。」

「うん。」

「そんなことねぇよ。」

と言う純平に、友樹は、近くの建物の壁を指す。白い×印が描いてある。

「でも…これ…。」

「なんだよ。これ?」

「友樹がここを通る前に描いてた。だから、ここは二度目だ。」

アースによると、印をつける前も、何度もこの道を通っていたと言っていた。


「なにぃぃぃぃぃ?!」


どうやら、迷子になったのを自覚したようだ。
僕は、まだ、バグモンに見つからないよう祈った。





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