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落ちたのが、運良く藁だったから僕達は助かった。出口を探しながら、二人から、追いかけられる経緯を詳しく聞いた。
“バグモンは…いじめっ子のデジモンなんだ…。”
「はぁ…何してんだよ。」
「だって、こんな世界早く帰りたいと思わないか?」
純平の意見に同意こそするが、聞く相手が悪い。その意見には賛成だ。だか、方法が間違ってる。
「だけど、聞くデジモンをちゃんと選べよ?!危険な奴だって居るんだぞ?!」
「それは俺も分かってるよ?!。」
「いや、分かってないだろ!最初は一匹だったかもしれないけど、大勢になってるじゃないか?!」
そう言うと、純平は、押し黙った。流石に言い過ぎたかもしれない。と、思っていると
「ねぇねぇ。司さんは何してたの?」
友樹が、今まで何をしていたのか聞いてきた。
「ぼ、僕は…さ、散歩してた?!」
「そうなの?」
「嘘臭いな…。」
「本当だ!」
本当の事を言ったら、純平に馬鹿呼ばわり、されてるからな…。散歩と言うことにした。素直な友樹は、信じてくれたが、純平は、信じてない。
「それより…こっちで道は、合ってるのか?。」
「えっと、ちょっと、待てよ…。」
僕が先導する純平に問うと、近くの枯れ草で風の流れを確かめた。
「風はこっちからふいてる。此方へいけば絶対出られるぜ!」
「いや、出られないぞ?」
「な、何でだよ?!」
自信満々な純平は、何故出られないのか分からなく、僕に問う。
「僕達が、同じ所を歩いてるから…な?。」
「うん。」
「そんなことねぇよ。」
と言う純平に、友樹は、近くの建物の壁を指す。白い×印が描いてある。
「でも…これ…。」
「なんだよ。これ?」
「友樹がここを通る前に描いてた。だから、ここは二度目だ。」
アースによると、印をつける前も、何度もこの道を通っていたと言っていた。
「なにぃぃぃぃぃ?!」
どうやら、迷子になったのを自覚したようだ。
僕は、まだ、バグモンに見つからないよう祈った。
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