「なぁ、新一ってさ人殺したいと思った事ないの?」

「は…?あるわけないだろ。」

またコイツは急になにを言い出すのかと思えばくだらないことを。
たまに突拍子のないことを言ってくるコイツに付き合うのはなかなか疲れるものだと最近知った。

「今面倒くさいって思ったでしょ?」

「あたりまえだ。」

うぅ、ひどい…とかべそかいているこれがあの世間を騒がせている怪盗だと誰が思えよう。
っというか高校生男子がしても気持ち悪いだけだぞ。
こいつがこんな面倒なやつだと初めから分かっていたら俺は絶対付き合ったりしなかったと思うんだ。

「新一はくだらないとかいうけど俺にとっては大事なことなんだよ?」

「あーはいはい、…で?」

「例えば新一が誰かに殺されたとする。」

「いやいや勝手に殺すなよ」

「そうしたら俺は絶対そいつを許さないし、地獄に落ちたとしてもそいつを殺してやりたいと思うくらい新一の事愛してるんだよ?新一は俺が殺されても犯人のこと殺したいと思わないの?」


うわー本当面倒なこと聞いちまった。
それじゃあアレか?俺が死ぬときには俺はお前を殺してから死なないといけない訳か、重労働だな。っというかお前の質問って別にソレじゃなくても良かったんじゃね?何故愛を語るのに死を題材にするんだこいつは。

「思わないな。」

そう告げると一瞬にして真っ青になる顔。なんとも情けない。
俺は震えている快斗の体をそっ…と抱きしめる。温かい快斗の体、感じる鼓動がとても愛しい。


「大体お前がそう易々と殺される玉かよ。」

「しん、いち…」

「それに俺を置いて勝手に死んだら俺がお前を許さねえ。どこまでも追いかけてやる。」


━ヒュッと息をのむ音が耳元でした。

追いかけて、追いかけてやっと手に入れた白い鳥をそう簡単に手放してたまるか。
そうこれはさっきお前が意図せずにして俺にかけたのと同じものだ。
死ねない呪縛…2人生きるためのもの。
本当にくだらない質問だったな。そんなの初めから決まっているのに…


(だってお前がいない世界なんて)









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私は一体何がいいたいのか?←