「なぁ新一、俺達が初めて会った日の事覚えてる?」 「急に何だよ?」 「いやさ、今日公園で転んじまった子供みかけたら懐かしくなっちゃって。」 「ふーん。」 「冷たっ!!新一って会った時からずっとそうだよね。」 興味ない振りして本当は人の事よく見てる所とか、一見冷たそうに見えるけど本当は優しいところとかずっと昔から変わらない。 俺と新一が出会ったのは俺が小学校に入ったばかりの時だった。 俺の学校では休み時間に6年生が1年生のクラスに来て一緒に遊んでくれるのだ。 そんなある日俺は鬼ごっこをしている最中校庭のど真ん中ですっ転んだ。痛くて、格好悪くて、悲しくて大泣きしたら周りにいた6年生の人達が心配して声を掛けてくれたり、保健室に連れて行こうとしてくれた。 しかしそんな中でたった一人皆とは違う反応をした人が居た、それが新一だ。 新一は俺が転ぶのを目の前で見ていたのに泣いている俺に声をかけるでもなく、じっと俺を見つめていた、そして他の子がずっと転びっぱなしで起きようとしない俺を立たせてくれようとした時にこう言ったのだ。 「男なら泣いてないで自分の足でしっかり立てよ。」って。 俺は悔しくなったので睨んでやろうと思い必死に立った。そして目の前に居る新一をを見上げたが、新一がとても愛しいものをみるように微笑んで頭を撫でてくれたので褒められた気がして悔しさとか転んだ恥ずかしさや痛みとかが全部吹っ飛び嬉しくなった。 その日から俺は休み時間に新一を探しては引っ付いて歩くようになった。 そうして新一と話したり、俺が見せたマジックのトリックを暴こうとする綺麗な瞳を見ている内に俺はどんどん新一の事を好きになっていった。 しかもその好きは父さんや母さんそして友達に向ける好きとも何処か違っていたが俺はそれが何なのかよく分からないでいたのだがある出来事をもってしてそれが恋である事に気づいたのだ。 それは俺の親父が仕事中事故に遭い亡くなってしまった時のこと、俺は大好きな親父があまりにも急に居なくなってしまった事が信じられなくて自分でもよく分からない感情になっていた。 しかし俺が泣いていると親父が天国にいけないのではないかと思い必死に笑った。 そうしている内に無意識に笑えてしまえるようになって来た頃新一に呼び出された。 俺は何故か新一に会ってはいけないような気がしていたので親父が死んでから一度も会っていなかったので凄く久しぶりだった。 そして俺は新一に会った時にやはり新一と会った事を少しだけ後悔した。 男だから泣かない、強くなると思っていたのに新一と会うとどうしても甘えてしまいそうになってしまいそんな自分が嫌だった。 そんな心を必死に隠していたのに新一が 「泣いてもいいんだ快斗」と俺を抱きしめながら言ったので今まで我慢してきたのに、誰に何を言われても耐えられたのにやっぱり新一の前では自分を隠しきることが出来なくて、服が濡れるのも構わず新一に抱きついて思いっきり泣いた。 あぁ、やっぱり新一は特別だと。俺の涙を止めるのも溢れさせるのも新一だけだと、ずっと一生一緒に居たい大切な人だと思ったのはその時で。 それから俺の涙ぐましい努力の結果新一とは恋人同士になりこうして今日も一緒に居るわけだ。 しかし俺は今までそんな新一の涙を一度も見た事がない。 まぁ気持ち良くて泣いちゃった事は何度とあるけれども。(こんな事新一に言ったら絶対殴られるから言わないけど) でも俺は知っている、新一が人知れず傷ついている事を。だけど新一はいつもその強く美しい瞳に上手く隠してしまうから、そんな時は俺が変わりに泣くのだ。 だけどもし本当に傷ついてどうしても泣きたい時があったのならその時は俺の傍で泣いて欲しい。 俺が心休まる場所が新一であるように新一も俺をそんな風に思ってくれていたら良い。 「ねぇ新一。」 「あ?」 「泣きたくなったらいつでも俺の胸に飛び込んできて良いんだぜ!?」 「………ばーろ//////」 そういって笑う君の笑顔をずっと守りたいから新一を泣かすようなやつが居たら俺は容赦なくそいつを…… 「おい、快斗今変な事考えただろ」 「新一には本当隠し事できないなぁ。」 でも本当は俺が一番新一を泣かしたいと思っているのは秘密だ。 ******************** これも確か友人の誕生日に送りつけた物だった気がするww 年下×年上万歳!!!! |