意味不明な会話文













「新一、俺とっても悲しい夢見たんだ。」

「ふーん。」

「何その興味無さそうな反応」

「だって興味ねーし。」

「いやいや、そこは少しは聞いてやるっていう優しさはないんですか?」

「…………」

「有るわけないって顔で訴えんなよ。泣けてくるだろ!!!!ばかぁ!!新一のばかぁ!!!!」

「ガキか」

「ぅう…酷い。…ぐすっ、俺より本の方が大事なんだろ!!??そんな本怨んでやる、呪ってやる!!!!!」

「…快斗うっさい。」

「はい、スミマセンデシタ」




(ぐすっぐすっぐすっ…)

―ピシッ、パキッ
―――パリンッ!!!!



「快斗」

「…なに?」

「話せよ、聞いてやるから。」

「え?怖い。今夏なのに明日雪でも降りそう」

「聞かなくていいなら別にいいぞ?」

「あ、いやいやいやいや聞いて下さい」

「早くしろ」

「うん。あのな、新一が死んじゃう夢みたんだ」

「…………………で?」

「新一が死んじゃって俺苦しくて悲しくてどうしようもなくて七夕の日に願ったんだ。」

「なんて?」

「新一が夏の間だけは俺の傍に居てくれますようにって。そうしたら毎年毎年新一が夏の間だけ傍に居てくれるんだけど夏が終わるとやっぱり居なくなっちゃってまた凄く悲しくなるんだ。」

「そ…うか。」

「だからね新一。新一は絶対死なないでよ?俺を悲しませないで?」

「あぁ。俺は死なない、死なないよ快斗。」

「良かった!!!!」

「ごめん、ごめんな快斗。」

「何が?」

「お前を縛りつけてしまって」

「何のこと?」

「いや、何でもない。」

「変な新一。」

「そうだな…変…だな。」

「ふふ…ねぇ新一。」

「ん?」

「俺…俺な」

「うん。」

「俺もずっと新一の傍にいるから。」

「………あぁ。」

「だからそんな悲しそうな顔しないでよ。」

「してねぇよ。」

「そっか…ならいい。」

「それより快斗そろそろ帰らなくていいのか?」

「…うん。そうだね、そろそろ帰るよ。」







「さよなら快斗…またな」

「さよなら新一またね」




夏の亡霊



(そうしてまた俺は幾度も幾度も夏を待つ…)