0906 /21:24

やけに周りが騒がしい気がして俺は重い瞼を開けた。するとそこには信じられない光景があったのだ…

「くろば…」

一体何が起こったというのか!?あの工藤が俺の膝の上に跨り服を脱ぎながら俺ににじり寄ってくるではないか!!
落ち着け俺、ここは状況把握が優先だ。
たしか俺達は大学の講義が終わり、まぁ特に今日は俺も工藤も何の用事もなかったのでいつも通り工藤の家に行こうとしていた所友人達に捕まり約束もしてない飲み会に強制参加させられたんだっけか?
で、俺はというと実はそんなに酒に強くないが隣で馬鹿みたいに平気な顔して酒を飲む工藤に負けたくなくて(男の意地ってヤツだ)なんとか顔には出さないようにしていたが、急激な眠気に襲われそのまま寝こけたと……。
情けねぇ。いやいやそんな事よりもということはだ、ここは居酒屋で周りには友人達がいる訳で…そんな所でコイツはストリップまがいの事してんのか!?
いや別に男が脱ごうと何とも思いはしないがコイツの場合は別だ。自分が周りにどんな目で見られているのか全く理解していないもんだから俺がいつも苦労してるのなんてこいつは知らないんだろうな。
ぼんやりとする頭を働かせ周りの様子を見ると顔を真っ赤にして固まっている者、いやらしい顔で工藤を見る輩、何故か喜んでいる女子がいた。
このままでは後で後悔するのは工藤だと思い制止の声をかけるが「やだ…」とか言いながら俺の服まで脱がしてきたのだ。
これは本当に不味い。そう思うものの体がうまく動かず目を潤ませながら近づいてくる工藤の顔を見続けることしか出来なかった。そして工藤の唇が俺のに触れそうになった瞬間何故か俺の意識はフェードアウトした。






「ハハ……夢かよ。」

夢でも不味いだろ。いや夢の方が不味いだろ!!
夢は願望だとか聞くが俺とあいつはただの友人であり、最高にして最悪の好敵手であり……大体男同士だし。
うわぁぁぁぁ嘘だろ俺。いっそ現実の方がマシだとか混乱した俺は思ったりしたのだった。













隣を見て絶叫するまでは…。