「あ、あの……。アイオ、ロス。」


私はどぎまぎしている事をアイオロスにバレないように、そっと視線を外した。
だが、意地悪な彼は、そんな事はちゃんとお見通しだったみたいで。


「そうか、アナベル。俺の姿を見て、欲情しちゃったんだね?」
「や、違っ……!」


しどろもどろにアタフタする私を見つめて、アイオロスは嬉しそうに笑った。
それはそれは、まるで褒め言葉でも掛けられたかのように、パッと顔いっぱいに広がる明るい笑顔で。
私のこの反応が、彼にとっては最高の褒め言葉だったのかもしれない。
もしこれがデスマスクさんなら、あのニヤリと独特な笑みを見せるところだが。
そんな笑い方など知らないアイオロスは、心底嬉しそうに微笑み、それから熱っぽい視線で私の身体を上から下までジックリと眺めた。


熱い視線で見つめられた事で、初めて気付く。
私もアイオロスと同じ、衣服が乱れたままだという事を。
いや、彼よりも私の方が酷い姿ではないだろうか?


私は慌てて両手を使い、肌蹴た服の前を合わせて身体を隠そうと試みた。
が、やはり、無駄な努力だった。


「今更、隠したところで、遅い遅い。」
「やっ! アイオロスッ?!」


隠した筈の両手は、手首を掴んだアイオロスによって、簡単に引き離されてしまう。
ヒヤリと部屋の空気が肌を掠める感触に、寒気によるものなのか、期待によるものなのか、どちらか判別のつかない震えが走り、肌がゾクゾクと泡立って。
じっとりと絡むアイオロスの熱い視線が焦らしの愛撫として脳に伝わり、まだ触れてもいないのにゾクリと感じてしまう自分。


大きく左右に肌蹴たブラウス、たくし上げられた下着、スカートはとっくの昔に取り去られ、左足の腿の途中には摺り下げられたショーツが……。
今の私の姿は、全てがアイオロスの欲を煽るばかりだ。


「可愛いな、アナベルの身体は。続きをして欲しいって言ってる。」
「い、言ってない!」
「嘘吐いても無駄。」


捉えられた両手を振り、何とか逃れようとしても、それは何の意味も成さなくて。
楽しげに顔を近付けたアイオロスは、ワザと音を立てながら私の首筋に吸い付く。
そして、その巧みな唇で、また新たな花弁を身体中の敏感な場所へと次々に散らし始めた。



細やかな愛情より、一瞬の快楽



「じゃ、今度は俺が下な。ほら、アナベル。」
「や、あっ! せめてベッドに行こうよ、アイオロスッ!」
「駄目だよ、待てない。」


やっぱり流されてしまう自分に溜息。
でも、そんな一方的に強引な部分を含めて、彼に惚れてたりするのだから、どうしようもないのよね。



‐end‐





ロス兄さんは最中は勿論の事、事後も(エ)ロスなんです(爆)
そして、絶倫が輪を掛けて激しくなってる気がするのは、気のせいではないでしょう、きっと。
ロス兄さんは新たな刺激を求めて、ベッド以外の場所を開拓中w

2008.11.27



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