沙織:「ここからは二人の思い出話をお願いしますね。四十一問目ですわ。初デートの思い出を教えてください。」
飛鳥:「初デートですか……。出逢いの日のあれが初デートなら、押し倒された思い出しか……。」
山羊:「それはデートとは言わんだろう。二人で出掛けた日とかじゃないのか。」
飛鳥:「じゃあ、一緒に日本に行って、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんを説得しようとした時?」
山羊:「それもデートとは言い難いが……。」


沙織:「どうやらお二人には難しい質問だったようですわね。では、四十二問目。最近、よく二人で出掛ける場所は何処ですか?」
山羊:「やはりアテネのショッピングモールだろうな。それと市場。」
飛鳥:「お菓子の食材を見たり、キッチンツールを物色したりね。市場で買うチーズや果物は本当に美味しいから、スイーツにもピッタリなの。」
沙織:「スイーツの事ばかりですのね。」
飛鳥:「仕方ないと思うよ。超甘党彼氏とパティシエだもの。」


沙織:「それでは四十三問目です。今まで二人で行った場所の中で一番思い出深い場所は何処ですか?」
山羊:「春の日の城戸邸だな。」
飛鳥:「あ、もしかして、桜が満開だった時?」
山羊:「もしかしなくても、そうだ。一面の桜は幻想的で、飛鳥の着物姿は魅惑的で、俺は夢の世界に居るような気分だった。それに桜餅も美味かった。」
沙織:「ふふっ、飛鳥さんの作る桜餅は、本当に絶品ですわよね。」
飛鳥:「そ、そんなに褒めたって何も出ないですよ〜。」


沙織:「四十四問目ですわ。デートでのお金の払い方に決まりはありますか?」
山羊:「決まりも何も……。」
飛鳥:「私はシュラに扶養してもらっている身だもの。金銭面はシュラにおんぶに抱っこ状態で。」
沙織:「あら? では、飛鳥さんが一人の時に、欲しいものがある場合は、どうしてますの?」
飛鳥:「それは、シュラのカードを勝手に……。」
山羊:「っ?!」


沙織:「今のは聞かなかった事にしておきましょう。では、四十五問目です。デートに遅刻した事はありますか? その時の相手の反応はどうでしたか?」
山羊:「基本的には一緒に宮を出て、一緒にデート場所へ向かうから、遅刻とかはないのだが。」
飛鳥:「そうだね。外で待ち合わせとかもないものね。」


沙織:「では、四十六問目は答えが出ないかもしれませんね。もしデートに遅刻したら、相手にどうやって許してもらいますか?」
山羊:「遅刻した事がないからな。仮に遅刻したとしても、誠実に心を籠めて謝るだろう。」
飛鳥:「それで私が許さなかったら?」
山羊:「そうだな……。ならば、最高級のクーベルチュールチョコレートを添えて謝るか。」
飛鳥:「最高級クーベルチュール……。うん、許しちゃうかな。」


沙織:「それでは、四十七問目。デートの失敗談があれば教えてください。」
飛鳥:「失敗というか、シュラが暴走?」
山羊:「俺が? 何も覚えがないが?」
飛鳥:「私との距離が少し開いた隙に、何処かの男の人がナンパしてきて、キレたシュラがその人達を怒りの形相で追い駆け回しちゃって……。」
沙織:「それは、聖闘士としてあるまじき行為ですわね。一般人に拳を向けるなど……。」
山羊:「……(滝汗)」


沙織:「四十八問目は、私も気になりますわ。今後デートで行きたい場所は何処ですか?」
飛鳥:「行きたい場所かぁ……、う〜ん……。」
山羊:「ペニンシュラ・パリで優雅にアフタヌーンティーだな。」
飛鳥:「あ、それ良い! スコーンにタルトにサンドウィッチ、美味しい紅茶! 今直ぐにでも行きたい!」
沙織:「あら? ロイヤルグラードパリのティーサロンではないのですわね。」
山羊:「っ?!」
飛鳥:「っ?!」


沙織:「次は四十九問目です。手を繋ぐ、腕を組む、肩を抱く。デート中は、どうやって歩きますか?」
飛鳥:「そのどれか一つでも実行していただければ嬉しいのだけど……。」
山羊:「そんな大きな溜息を吐くな。これでも努力している。」
飛鳥:「努力している人が、斜め前しか歩かないとか、どうなの?」
山羊:「ぐ……。」


沙織:「では、五十問目です。あなたの相手は街中で周囲の人にどう見られていると思いますか?」
飛鳥:「マフィアとかソッチ系の人みたいに目付きが怖いけど、整った顔立ちと抜群のスタイルで、俳優かモデルだと思われる、絶対。実際、スカウトに声を掛けられる事もあるし、女の人の殆どは溜息混じりにシュラの事を見てるよ。」
山羊:「言い過ぎだろう、それは。」
飛鳥:「これだから自信満々のイケメンは……。」
山羊:「飛鳥は東洋人だから珍しいのか、アテネの街中では良く擦れ違う人に振り返られる。」
飛鳥:「それは私じゃなくて、多分、シュラの事を振り返り見てるんだと思うけど。」





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