「………お母さん」



すると丹那が、急に立ち上がった。



そのまままっすぐと、丹那の母親のところへ歩いて行く。



「えっ………」



「に、丹那………」



3人とも慌てて後を追った。



丹那は母親のそばに座り、じっと母親を見つめる。



「………会いたい」



そう、聞こえた気がした。



丹那が死んだというのは確信できた。殺される現場をこの目で見たのだから。



だが、だとしたら何故丹那は今ここにいるのか。



ここは死者が来る世界だとでも言うのか。



だとしたら地獄。相当悪趣味だ。こんな、人の過去を見せられて。



丹那の死ぬところを、見せられて。




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