数人の警官が、男に向かって銃を向ける。



男はフッと笑うと、自分の首に刃物を突き立てた。



そしてそのまま、その場に倒れた。



「何、それ………」



自殺。



3人の家族を殺した男の最期は、自殺だった。



丹那に男が死んだのを見せるべきか。



見せれば、少しはスッキリするのかもしれない。自分を、両親を殺した相手の死体を見ることによって。



燐は、ゆっくりと丹那の目をふさいでいた手をおろした。



一気に視界が開けた丹那は、リビングを見て、崩れ落ちた。



あの時と、同じ――――



自分が怖がりながら、入ってきた、あの時のリビングと同じ。



自分の、せいで。




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