「丹那何も言ってないよー」



「変ねぇ………空耳かしら」



届かない。



「そんな………」



どうやって、伝えれば。



どうしたら、どうすれば――――



ピーンポーン



丹那の身体が、ビクッと揺れた。



来た。



来てしまった。




「丹那ーちょっと出てちょうだい」



「はーい」



テレビを見ていた丹那が、廊下へと走って行く。



行っちゃだめだ行っちゃだめだ行っちゃだめだ。



「燐っ丹那のこと頼んだよっ!」



「あぁっ!」



「茉樹、急ごう」



止められるかもしれない。



声だけなら干渉できるんだ、あの惨劇を繰り返さなくて、済むかもしれない。




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