先ほどは大きな声を出したから、母親に気づかれてしまった。
静かに、4人は家の中へ入る。
急いで丹那の気持ちを伝えて。男が来る前に家を出る。
それが1番だろう。
丹那を先頭に、玄関からリビングへと向かう。
リビングからは楽しそうな声が聞こえてきた。
次第に、丹那の足取りも重くなっていく。
(………言わなきゃ)
ごめんなさい、と。
謝ってどうにかなるなんて、思ってない。自己満かもしれない。それでも。
こんな機会、普通はないんだから。
リビングにつながる扉は、開いていた。
「大丈夫か?」
燐が声をかけると、丹那は笑顔を見せる。
「大丈夫」
[ 45/122 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]