先ほどは大きな声を出したから、母親に気づかれてしまった。



静かに、4人は家の中へ入る。



急いで丹那の気持ちを伝えて。男が来る前に家を出る。



それが1番だろう。



丹那を先頭に、玄関からリビングへと向かう。



リビングからは楽しそうな声が聞こえてきた。



次第に、丹那の足取りも重くなっていく。



(………言わなきゃ)



ごめんなさい、と。



謝ってどうにかなるなんて、思ってない。自己満かもしれない。それでも。



こんな機会、普通はないんだから。



リビングにつながる扉は、開いていた。



「大丈夫か?」



燐が声をかけると、丹那は笑顔を見せる。



「大丈夫」




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