皆が、いてくれるなら。
燐が、茉樹が、斗織が、いてくれるなら。
………自分も、少し頑張ってみようかと思った。
潤んだキレイな瞳で、丹那は茉樹を見る。
そして、コクッと頷いた。
「よし」
「つっても茉樹、どうするつもりなんだよ」
丹那はきっと、あの男を視界に入れた瞬間、動けなくなるだろう。
動けたとしても、ほとんど機能しないに決まっている。
「男が来る前に、両親のもとへ行けばいい」
現状ではこれが最善だろう。
何か行動しなければ柱は現れないだろうし、行動と言っても限度はある。
これは丹那の問題だ。丹那が解決しなくてはならない。
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