丹那が直接殺されたところを、見ていない自分だって最悪なのに。
燐は深呼吸をする。
「燐………」
「丹那。落ち着いたか」
先ほどよりは幾分、落ち着いているように見えた。
「………繰り返されるの?」
急に、丹那はそんなことを言った。
「えっ………」
「また、繰り返されるんだ………」
鼻声でそう言い、うずくまる。
膝の間に顔をうずめて、丹那は声を殺して泣いた。
「見たでしょ」
あのとき、自分が家に入れなければ。
最初から怪しかったんだ。なのに。迂闊に。
あんなヤツを家に入れるなんて、自殺行為と同じ。
「丹那が、殺したの………」
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