過去は変えられない。
自分たちがいくらあがいたって、丹那やその家族が殺された、という過去は変わらない。
「何か、意図があるはずだ。この現象には」
斗織は言う。
「何か………しなくてはならないことがあって、僕たちはそれをしないと、柱には進めないとか………」
「何かしなくちゃならないこと?」
「でも、この状況で何をしろって………」
茉樹は見た。斗織の横で、目を閉じている少女を。
この家は、丹那の家。そして、何かしなくてはならないとしたら、それは丹那に関することであって、丹那がしなくてはならないこと。
(丹那が………何か、すればいいってこと?)
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