「燐、斗織。見て、柱がなくなってる」



先ほどまで柱があったと思われる場所を、指して茉樹は言った。



「なっ………」



「さっきまで………あった、んだよね?」



茉樹はコクリと頷く。



「それに、家に灯りが………」



そこまで言って気がついた。



黒い男が、殺人者がいない。



そろそろ殺人者が来て、家のチャイムを押して。丹那が出るころだと思っていた。



だが一向に現れる気配はない。



「どういうこと………?」



「もしかして、俺らが家に入んないと、現れない………とか」



恐る恐る、冗談のつもりで燐は言う。



だが、それ以外に考えられなかった。




[ 36/122 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -