庭も広く、中には灯りがともっている。笑い声でも聞こえてきそうな、明るい家。
(何が起こって………)
茉樹は燐を連れて斗織のところへと行く。
丹那は眠っていた。気を失っていたの方が、正しいかもしれない。
「斗織………何で………」
何で、家が元通りになっているのか。
全身から、嫌な汗が吹き出しているのが分かる。
「………終わらないのかもしれない」
「終わらないって………」
でも、ここは青山家。丹那の家。
この世界の丹那の家では、毎回毎回、あの惨劇が繰り広げられているのか。
だとしたら、やはり来るべきではなかったのか。
茉樹は柱がある方角を見た。
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