「丹那っ丹那!」



目は虚ろで、何も瞳には映していない。



キレイな緑色の瞳からは、血が流れていた。



「う゛っ」



丹那は燐を突き飛ばす。



ここの重力のおかげか、燐は飛ばされ壁にぶつかるも、そこまで衝撃は強くなかったようだ。



「おっぅ、え゛………」



「にっ………」



そのまま、胃の中のものを吐き出した。



だが胃の中には何もなかったのだろうか、丹那はありえない量の血を吐いて咳き込む。



「にいっ………」



茉樹が口元を抑えた瞬間だった。



「きゃああああああああああああああああ」



奥から、悲鳴が聞こえてきた。



「まっさか………」




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