「丹那?おいっどうした?」
バレないように、声を抑えながら燐は言う。
「く、くる………」
「来る?何が?」
「丹那、落ち着け。何が来るんだ」
「くる………」
焦点の合っていない目で、丹那は扉の先をじっと見つめる。
息づかいも段々荒くなっており、3人は扉を薄く開けた。
「燐は丹那のそばにいてあげて」
2人ほどしかのぞけない、僅かな隙間。
茉樹と斗織がそこから外をのぞく。
わいわいと、楽しそうな声が聞こえていた。
ピーンポーン
チャイムの音に、丹那は更に身体をビクつかせた。
「いっいやぁああ――――」
「待てって!」
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