「燐が、いてくれるなら………大丈夫」
顔を上げた丹那は、笑顔でそう言った。
この状況は何なのか、1番知りたいのは丹那のはずだ。出会ったとき、泣いていたのだから。
自分のことについて、何か分かるかもしれない。
こんなチャンスない。
茉樹の考えていることが伝わったかのように、丹那は立ち上がる。
足は、震えていた。
「………そか」
丹那の頭をなでて、燐と丹那は手を重ねる。
………手を、重ねる。
(………何で、丹那と)
燐と初めて会ったのは自分なのだ。泣いてばかりの丹那と、自分は違う。
なぜそんなに丹那にかまうのか。
茉樹は驚いた。
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