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らうんど、わん



 イクサとは。ブショーが一人一体のポケモンを持ち、戦わせる試合のようなものだ。ブショーは最大六人まで参加が可能であり、ポケモン一体が出せる技は一つのみ。 また、一回につきターン制限も設けられている。イクサ場と呼ばれる色々な仕組みがあるフィールドを使用し、その限られた条件で勝負をする。それがイクサだ。イクサの勝敗は国を左右するものが多く、一戦一戦が極めて重要視される。
ナマエが今回参加するのは「模擬戦」と呼ばれるそれだが、ナマエの旅路がかかっているので重要といえば重要だろう。

 マゴイチから説明を受けたナマエは、ポケモンバトルとの違いを思い浮かべる。一人で六匹までなのと、一人一匹六人までなの。技が四つと、一つだけ。ターン云々はよくわからないけれど。使用する場所はイクサ場の方がとても大きい。

「ポケモンはわざをよけちゃいけないの?」
「避けるのはアリだ。好まない奴もいるけどな。さて、問題はナマエのポケモンが何を覚えてるか、なんだよな」

 ナマエとマゴイチはナックラーとピカチュウを見る。ナマエとマゴイチはハンデをもらえた。ナックラーとピカチュウ、二匹の使用を許可されたのである。ナマエがまだ幼いからだというそれだが、相手が三人参加するのだからハンデと言えるかは微妙である。まぁ、ポケモンの数は等しくなるのだが。
 ナマエはポケモンバトルをしたことがないし、ナックラーが戦うところを見たことがない。

「ナックラー、」

 ナマエがナックラーを見つめる。ナックラーは任せろというようににこりと笑って鳴いた。ピカチュウも同じく鳴く。

「……まぁ、何とかなるか」

 マゴイチの言葉にナマエは頷いた。

「準備はいいか?」
「ああ、いいぜ」

 マゴイチの返事に、ヨシヒロは近くにいた部下を見る。部下は高らかに声を上げた。

「それでは、イクサの模擬戦を始める!勝利条件は、4本の旗を全て取り、五ターン守り切る。または、敵を全て倒すこと!では、はじめ!」

 カーン、というゴングが鳴り響き、ナマエとマゴイチは前を見た。




 ヨシヒロのもつドテッコツ、部下はエビワラーとサワムラーだ。見事な格闘タイプである。対するマゴイチはマスキッパ、ナマエはピカチュウとナックラーである。相性は少し不利かもしれない、というのがマゴイチの考えだ。ナックラーがこの地方にいない為、ナックラーのタイプがわからない。

 さて、どうするか。
 数ターンも経てば、敵がナマエのピカチュウの前に来て、攻撃をする。が、ピカチュウは間一髪でよけて少し手前に着地した。
 ナックラーは旗のしたで待機している。どうやら、向こうはピカチュウが倒れるまでナックラーには手を出さないらしい。
 ナマエは一テンポ遅れて、ピカチュウと目を合わせる。ピカチュウが頷いた。

「ピカチュウ、」

 お、攻撃すんのか。マゴイチが心配そうにナマエを見る。

「でんきの!」
「ピカァ!」

 ナマエの言葉に戦闘態勢に入ったピカチュウは電撃を放てば、不意打ちであったらしく敵に当たった。倒れはしないが、それなりに効果はあったらしい。ナマエとピカチュウは目を合わせて笑った。
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