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すきなぽけもん



「そういえば、ナマエ、シデンの空中庭園にはピチューがいるらしいぞ」
「ほんとに!?」

 マゴイチの発言にナマエは顔をぱあっと明るくさせた。アルトマーレでも野生のピチューはいるのだが、すぐに逃げてしまうためなかなか仲良くなれないのだ。それに、圧倒的に水ポケモンが多いのだから、本当に稀にしか見かけない。

「なんだ、ナマエはピチューが好きなのかな?」

 ムネシゲの問いかけに、ナマエが笑顔で頷けば、またギンチヨが固まる。なんなのだろうか。ナマエは首を傾げた。しかし、マゴイチがナマエに問いかけたことで、ナマエの意識はそちらへ向いた。

「ピカチュウも好きなんだよな?」
「うん! アルトマーレは、みずのみやこだから、ピチューやピカチューとは、そんなにあえないの!」

 ニコニコ。
 そんな擬音が付きそうな笑みでナマエは答えた。すこしズレだ解答ではあるが。

「水の都?」
「うん! アルトマーレはね、みずがいっぱいあるの! すいろ?がはりめぐらされてる?だって。だからね、かいものにいったりするのも、ちいさいふねにのるんだよ!」
「イズミの国みたいなものか?」
「イズミ?」
「イズミの国は行ってないからな。アオバの国の対岸にある国だ」
「そういえばマゴイチ、ツバサの国にはどう行くつもりだ?」
「ここからコブシ、ダイチ、ゲンムを抜けようかとは思ってるけどな。ダイチとゲンムがどうなるか、だな」
「今はまだ大丈夫だろう。この前はやりあっていたが」

 大人の会話にナマエがまた置いてけぼりになってしまい、ナマエがまたナックラーやムックル、コリンクと戯れ始めた。それに気がついたのかギンチヨはナマエの方を向いた。

「ナマエ、く、空中庭園にいってみるか?」
「いく!」

 ナマエのキラキラした目に、ギンチヨは顔をそらし「ついてこい」と歩き出す。ナマエとナックラー、コリンクはそれについてパタパタと歩き出した。

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