目が醒めると、また見知らぬ場所である。目の前に広がる広野はタトゥイーンにも似ているが、どことなくちがうそれ。日差しを遮るものなどなくサンサンと照る日差しに、フードを被りそれを防いだ。まず日陰を探すことが先決だろうか。だが、ぐるりと見渡してもなさそうだ。
行き倒れるワケには行かない、ので、とりあえず地球と判断し、太陽の位置から大体の方角を考える。ひたすら歩いていると、何かロボットのような巨大建造物のようなものが目に入った。おや?と首をかしげていれば、地響きを立てながらロボットが近づき、少年が現れる。彼を見上げれば、彼のそばにフォースのようなそれを見たがアレはなんだったんだろうか。
目の前にいる少年達と大人に、招かれておいてフードを被ったままはダメだろう、とフードを外す。すると目を見開いた彼らに苦笑いをした。大方、男だと思われていたのかもしれない。
「助けていただき、ありがとうございます。私はリア。リア・ケノービと申します」
「え、あ、」
「御機嫌よう、リアさん。私はニアと申します」
そうふわりと微笑んだ少女に、少年に目を移す。
「僕は、シモンです。えっと、リアさんはどうして地上に?」
「気づいたらいたもので、ひたすら東の方を歩いていたんです。そこであなた方と出会いました」
「気づいたらいた?地上に?なに、あなた、記憶喪失なの?」
「似たようなもの、かもしれませんね。友人と別れてからそこに行くまでの記憶がありません」
そう言って顔をしかめる。最後はダニーやサムと別れて闇の扉を閉めた。そこからの記憶が全くないのである。私の言葉に周りは目を見合わせた。それにしても、子供がリーダーとはなかなかだ。ヒソヒソと話す彼らから窓の外に顔を向ける。窓の外には地平線だ。森なんてものはない。そして、そのまま目の前にいる青年に目を向ける。フォースに似た何か、ということは霊体だろう。こちらをじっと見ている青年にほおをかいた。
「お前、俺が見えてんのか」
そう告げた彼に微笑んで、そのまままた窓の外に目を向けた。
「いい天気だ」
そう呟けば、周りの視線が私に向いた。
荒野の中
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