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 僕には2人の幼なじみがいる。片方はみんなご存知、MJことメリー・ジェーン・ワトソン。で、今日の話題はMJじゃない方の幼なじみの話だ。そう、今目の前でバケツ頭の中身に抱きつかれている女の子――リア・ステイシーの。
 リアは僕の幼なじみである。外見は美人だし、家柄なんかも良い。父親がイギリス貴族の出身らしい。そして、勉強もスポーツもできて人柄もいい。The water that came from the same spring cannot be both pure and salt.(天は二物を与えず)なんて言うけれど、リアは二つどころか三つ四つ貰ってる存在だ。当然、僕やMJがあまりの完璧さに粗探ししたこともある。小さい頃の話だけど。今はそんなこともしようとは思わない。探してもないからね。
 僕やMJはずっとリアに護られてきた。いうならば、お姉さんと妹弟みたいな感じだ。フラッシュに虐められた時も庇ってくれるのはリアだ。スパイダーマンになって、リアを護れると思ったけど、スパイダーマンになった僕を見てリアはこう言った。

「ピーター、力を得たからといって無闇に振り回すな」

 そう、一発で僕をスパイダーマンだと見抜いた。そのままリアは僕のパートナー(勿論恋人、ではなくて、相棒とか親友という意味)におさまったのだ。
 で、最近、僕にS.H.I.E.L.D.入りをお勧めしてくれた人物でもあるんだけど。

「サム、少し痛い」
「んー?なんか言った?」
「仕方のない奴だな、サム、ほら、手を繋ぐから退いてくれ」
「ダメダメダメ、リア!ダメ!バケツ頭とか、ダメ!!」

 バケツ頭に手を差し出したリアにダメと静止をかける。首を傾げたリアに、バケツ頭は顔を思いっきりしかめた。バケツ頭を引っ張って行けば、リアは「仲がいいな」と笑ったので、思いっきり否定しといた。何を思ったが、先日、バケツ頭達が学校に来た時、リアが僕に挨拶をしたのだ。そして、バケツ頭達にも。その時からコイツはリアに積極的である。周りが呆れるほどに。

「君ね、どんな存在にてをだそうとしてるかわかってる?」
「なんだよ、別にいいだろ?」
「あのね、リアは僕の幼なじみで、この学校のマドンナなんだ!君に向けられてる視線に気づかない!?」
「あー、なんか睨まれるなと思ったらそういう事かよ。でも、関係ないだろ。第一、蜘蛛頭も唯の幼なじみなんだったら別にいいだろ」
「ダメだって。君じゃ釣り合わない、リアはそれこそディズニープリンセスみたいな王子様としか釣り合わないから」

 一度、フラッシュがリアの彼氏ヅラをした時があった。でも女子生徒連合が猛反対し、リアもやんわりと否定した為水に流された。人気者であるフラッシュでさえそうなのだ。唯の転校生がああ積極的だとまた女子生徒連合ができる。

「じゃ、リアは今まで恋人なし、と。やっぱり声かけてこよっと」
「だから!」
「だから、なんだよ!」
「リアは僕の!」

 僕とバケツ頭の声に女子生徒の鋭い視線が突き刺さる。それに苦笑いして、バケツ頭を見下ろした。

「とりあえず、リアと君は釣り合わない」
「そんなこと、関係ないだろ」

 フン、と鼻を鳴らしてバケツ頭はリアの方へ向かった。ピーターと仲がいいな、よろしくしてくれ。良くないけど、リアがそう言うならよろしくしてやる、だなんて会話が聞こえて僕はため息をついた。

姫君についてのひとりごと


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