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「……まさか、またか?」

 静かに手を上げてグーパーと握ったり開いたりをする。少し重いからだを起き上がらせれば、知らない部屋だった。自分たちの、あの技術の部屋ではなさそうだ。どちらかといえば、機械などが優れていないそれ。木でできた窓の外をみれば、まるでワープホールのような、破壊された惑星の一部のようなそれ。

「……どこなんだ、ここは」

 用心のために、自分にライトセーバーがあるのを確認し、立ち上がる。幾分か低くなったような気がして、近くにあった鏡を覗いた。

「嘘だろう、」

 鏡に映るのは、年老いた私ではない。十代の頃のそれである。こちらが手を振れば、向こうもそれに応じて動く。若返っている。普通なら喜ぶべきそれだが、嬉しくもなんともない。マスターの元へ行きたかったのに、と眉間に皺を寄せていれば、誰かがこちらに近づいて来ているのがわかった。
 ぶん、とライトセーバーを起動させ、警戒する。扉がきぃ、とあき、身構えた私の予想に反し目に映ったのはなんともファンシーで既視感のあるそれだった。

「やぁ!起きたんだね!よかったぁ!」
「ねずみ、に近い種族……?」

 安堵の溜息をつくそれに、拍子抜けしライトセーバーをしまう。彼の目線に合わせ屈めば、彼は心配そうにこちらを見た。

「君は、ここに落ちてからずっと眠ってたんだよ。一週間、ずうっと!」
「一週間?落ちて?」
「そう、流星と一緒に落ちて来たんだよ!」
「流星……」

 乗っていたものの破片と落ちたのだろうか。それにしても、生身の体だというのによく燃え尽きなかったというかなんというか。

「……私の名は、リア。リア・ケノービだ。君の名は?」
「僕の名前は、ミッキー」
「ミッキー?」
「そう、ミッキー」

 やはり、聞いたことのあるような名前である。はっきりと覚えてはいないが、確かに聞いたことがある。

「そう、ミッキー。ここはどこなんだ?」
「ここは狭間の世界にある不思議な塔だよ。イェン・シッドさまが住んでるんだ」
「イェン・シッド?」
「うーん、やっぱり聞いたことないか。そうだ、リア、ついて来てよ!イェン・シッド様のところへ案内するから!」

 そう告げてぴょんぴょんはねていくミッキーに苦笑いして、後を追うように歩き出す。途中、ひょこりと顔を出したミッキーが「リア、はやく!」と私に声をかけた。


流星は瞬く


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