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 泣かれている、気がした。誰かが、泣いている。置いていかれる、というシチュエーションは、まるでマスターのそれだ。切り離したのは私であるのに、悲しい気持ちが舞いおこる。

「これで、よかった」

 何時の日かいなくなってしまった、出て来てくれなくなったマスターに、歳をとってしまった自分。若い芽を摘むわけにはいかなかった。まだまだ新しい世界ははじまったばかりである。必要なのは新しいそれであり、私のような古い掟が染み付いた存在ではない。
 助けをこうつもりはない。きっと助けを呼べば、ジェイセン達は――特に私に懐いてしまっているジェイセンは――自分たちを危険に晒してまでも助けに来るからだ。

「年老いてしまったものだな」

 そう呟けば、何処からか、あぁそうだな、なんて聞こえた気がした。

「……もう、眠っても、いいだろうか」
 ――あぁ、おやすみ。

 ふわり、と頭を撫でられた気がした。瞼をつむれば、意識は暗闇に引っ張られるように沈んでいった。



そうして星は流星となる


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