与えられた一室で、ふ、と息を吐きイスにもたれかかった。疲れた、の一言に限る。あの後、ジンさんに引っ張り出されたのはジェダイ評議会だった。しかしながら、私の記憶にあるそれとは似ても似つかぬものであったし、そこにいたマスター・ヨーダは生きているそれであるし、最後の記憶よりも若かった。価値観も対人関係も何もかもが違う世界。しかしながら、細かいところが同じであったり、同じ名を持つ人物がいることを考えれば、一つの答えにたどり着いた。
――ここは、過去だ。私が生きているあの世界の。
そう考えれば、マスター・ヨーダのことや、マスターと同じ名を持つ青年のこと、ジェダイの人数に制度に合致がいく。
ならば、私は未来を知ることになるらしい。しかしながら、それがそうなるとは限らないので、明確なそれではないが。
「記憶、喪失」
評議会で私を紹介する時。ジンさんは私がそうであると告げた。彼は彼なりに何か考えがあったようではあるが、私にも有利なそれであると言えよう。私のマスターの名が、彼のパワダン(のちに聞けばジェダイ候補生を指すらしい)の名であることも、彼は黙っていてくれた。そして、私にも黙っておくように告げた。言えば余計に怪しまれるだろうからだ。
評議会の話し合いの結果、私はパワダンに戻ることが課された。マスター・メイス=ウィンドゥのもとで修行を積むことになったのだ。きっと私の監視も含まれているに違いない。
「帰れるんだろうか」
弟子やジェイセンに、心配をかけていなければいいが。
おいかけるおもかげ
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