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NEVER DESPAIR:ULTIMATE

CAVALRY BATTLE-3-

 タイムアップ、と言う声と同時に下へと降りる。上位6チームは確定だろう。一位はやはり轟くん、2位が爆豪くん。そして、三位は。

『――3位、マッダーチーム!』
「まっだー?」
「俺ちゃんのファミリーネームでぇす」
「そうか、ファミリーネーム言うの忘れてた。というか、君、ほとんどそう名乗らないから忘れてた」
「ヒロん中の俺ちゃんの価値とは」

 そんな会話をしていれば、上位6チームが決まったらしい。息を吐いてヘッドフォンをつけた真詠さんに、大丈夫?と訪ねておく。頷いた彼女は照れたように何度も頷くと同じサポート科の子に走っていった。そのままズルズルと昼食という流れに進んだ体育祭に息を吐く。

「――そう言えば、ふと思ったんだけどヒロ君の個性はトニー先生似?」

 そう訪ねてきた帝江君に僕は動きを止める。そして、「さぁ、どうだろう」と言っておく。彼は困ったように笑って、「理事長の個性はそういうったものじゃなかった気がする」と告げた。彼の言葉にとりあえず肩をすくめて、「とりあえずは違うよ」とだけ告げる。彼は走り寄ってきた友人にもみくちゃにされて、僕はリグと歩き出す。

「どうだった?」
「なにが?」
「お前が組んだ奴ら。動きやすかっただろ?」
「それは、」

 そう言ってリグの言葉の真意を探る。確かに、動きやすかった。多分、僕が『百発百中』を使うことを前提とすればかなり出来たチームで、動きやすかったのも確かだ。そこで、はた、と考える。偶然、な、ワケがない。こんなこと。第一、全員リグが連れて来ている。

「――全員、父さんの指示?」
「That's Right! トニーサンが目をつけた奴らで作ったチーム。多分、トニーサンはあのままS.H.I.E.L.D.に持ってくるつもり。オレもやりやすかったし、是非ともそうしたい」

 リグの言葉に顔をしかめる。

「帝江君はわかる。彼は父さんのお気に入りだ。真詠さんは?」
「オレが聞いた話では、あのヘッドフォンを開発する要因になった子供らしいぜ。いやぁ、大変だったー、偶然装って、あの子をここまでつれてくの。ま、ヒロと先に知り合ってたのは気づかなかったけどナ」

 そう告げた彼は僕を見た。

「昼からは手を抜かないゼ。上司であるトニーさんの指示だし、第一、俺もお前はS.H.I.E.L.D.にいるべきだと思ってッし。じゃあなー」

 僕の肩を叩いたリグはそのまま人混みに紛れていく。

「ヒトトセ? どうした?」
後ろから声をかけられてそちらを見る。後ろにいたのは常闇くんだ。

「――僕のチーム、父親に仕組まれてたみたい」
「は?」
「なんでもないよ、気にしないで」

 そう告げてA組に紛れる。いや、無理だろ、と告げた彼に眉間に皺を寄せる。まぁ、そうなるだろう。

「父親って、お前……」
「ちょっと周りに秘密にしておいて、僕も結構腹たってるから」

 そう言えば彼はそれ以上口を挟まない、が、僕の肩をぽんと叩くと大変だな、といたわってくれた。
 そのまま歩いていれば、轟君と緑谷君を見つける。轟くんも僕を見て手招きした。なんだろう、とそのまま彼に続く。

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