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NEVER DESPAIR:ULTIMATE

WOULD ONLY TAKE ME AS I AM-2
 雄英の体育祭、といえば、日本ではかつてのオリンピックに変わるほどのものだ、と聞いたことがある。アメリカでもそう言ったものがあるけども、ヒーロー学校、というかチーム別対抗戦みたいな感じだから少し違う。毎年、アベンジャーズチーム、x-menチーム、ジャスティスリーグチームなどなどコミックのヒーローチームに基づいてチームが編成されるそれは見ていてとても楽しいものだった。毎年おかしなチーム名――たまに日本の美少女アニメもののチームがでていたりしてなかなか面白い。去年のアベンジャーズチームの最終リレーで、「assemble!」とリーダーが言っていたのはここ数年で1番かっこよかった。

「ヒトトセ、本国のことはいいから、話を聞け。お前にも関わるんだからな」

  飛んできたチョークをパシリと受け止めて苦笑いする。僕が別のことを考えていたのがばれたらしい。向いた視線に苦笑いする。

「今回は各学年にS.H.I.E.L.D.のスカウト枠ができた」

  相澤先生の視線がこちらにむく。ザワザワと教室が騒ぎだす。

「S.H.I.E.L.D.って、あのS.H.I.E.L.D.?」
「しー……?」
「S.H.I.E.L.D.は国連のヒーロー組織だよ。今のヒーローの生みの親で、世界中の優れたヒーローが属してると言っていい。知らないの?」
「知ってるって、聞き取れなかっただけだ!」
「でも、先生、S.H.I.E.L.D.は優れたヒーローでも簡単に入れないって聞いたわ。実務経験がなきゃいけないとか、」
「主にはな。だが、ほんの少数ではあるが高校上がりの奴もいる。なぁ、ヒトトセ」
「……アメリカには確かにS.H.I.E.L.D.のスカウト枠が存在してます。でも、アメリカ全土で十人程度」
「で、毎年スカウトされるのは1人いるかいないか、だ。日本では雄英で五人のみ。どの学年からかはわからない。五人されるかもしれないし、1人もいないかもしれない。そんなところだ」
「でも、なんで急に?」

 緑谷くんの言葉に相澤先生がさぁなと答える。

「一説によると、日本のエージェントが優れていたから、だが、実際はわからん。一応、うちの理事長がS.H.I.E.L.D.長官だからってのもあるだろうが、まぁ、S.H.I.E.L.D.は長官より副長官が仕事を指揮してるからな。そいつの都合だろ」
「相澤先生、S.H.I.E.L.D.にやけにくわしいわね。S.H.I.E.L.D.にいたの?」
「一時期な」

 さらりとそう答えた相澤先生に周りが叫ぶ。それは相澤先生の睨みによって消えたけども。轟くんが僕を見る。それにつられてか、八百万さんも僕を見た。

「眉間にしわ寄せてると、父親そっくりになるぞ」

  轟くんの言葉に息を吐く。そしてフニャリと笑った。

「僕は似てないよ」

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