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NEVER DESPAIR:ULTIMATE

RESCUE?-5
 ワイヤーの勢いそのまま、ヴィランに蹴りを加える。手だらけのソレは倒れた。ヒロくん! という声に、近くに梅雨ちゃんがいたことを知る。巨大な何かに押さえつけられていた相澤先生に目をやった。大きい、だけじゃない。何か、変だ。

「ヒトトセくん! 背後!」

 そんな声に慌てて背後を振り向く。迫ってきた手をなんとか弓で防げば、弓はボロボロと崩れていった。

「な!」
「君を殺せばオールマイトは来るのかなぁ?」

 そんな言葉と共に迫ってきた手をバックステップで避ける。が、背後から来ていた黒いソレに僕の体は包まれ、また気づけば噴水の上空だ。弓はないし、矢だけで減速もできない。飛んできた手をなんとか腕で防ぐが、腕がボロリと崩れた。

「っ!」
「ヒロくん!!」
「もしも! 僕が――」

 本来の個性を使おうとした瞬間だ。僕を掴んでいた手がビーム光線で撃ち落とされた。そのままキャッチされた体は、減速して降ろされる。

「お前にはヒーローは向いていない。怒りに任せて冷静な判断ができない、お前にはな」

  父親、だ。父親は僕を地上に降ろすとヴィランを見た。視界には僕なんて写っていない。

「これはこれは、一昔前の平和の象徴に会えるとは」
「一昔前の?」
「あああ! アイアンマンだ! 世界で最初のヒーローの一人だ!」

 そんな声をあげた緑谷くんは、どこかキラキラとした目で父親を見る。敵の意識が父親に向いた瞬間だ。オールマイトが手だらけの奴を吹っ飛ばしたのは。「もう大丈夫、私が来た」という言葉を吐いたオールマイトに、父さんは息を吐く。

「んん!? スターク先生! いらしていたんですか」
「まあな。オールマイト、ケイトは?」
「しばらくしたら来るかと」
「そうか」
「ケイト先生が来る前に片付けましょう」
 
 父親がふわりと浮かぶ。オールマイトが構える。ソレを見て、手だらけのヴィランはゆるりと口を開いた。

「あ〜。コンテニューだ。待ってたよ、社会のゴミめ」
「ソレはお前だろう。いくぞ」
「ええ」

 その言葉を吐いた父親とオールマイトは悔しいけれどかっこよく見えた。

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