――トニー・ウィリアム・スターク・ジュニア。
最古のヒーローサポート会社・STARK.incの社長、代表取締役、メインテック及び国際連合世界特殊能力保護機関S.H.I.E.L.D.の副長官であり、世界最古のヒーロー数人のうちの1人。
そんな肩書きを持つのが僕の父親だ。いや、肩書きはそれだけじゃない。プレイボーイや世界一の頭脳を持つ男、なんてものもある。
――ヒロくんって、あのトニー・スタークの息子なんだってね。
――ヒロはあのトニー・スタークの息子なんだから、これぐらいできて当然だよな。
頭をよぎった言葉に、顔をしかめる。ため息と共にこちらに手を伸ばした父親の手を跳ね退けて自力で建物の上に上がる。
「なんできたの」
「ジャーヴィスから緊急コールが来た。丁度雄英で仕事中だったから」
「僕に助けなんかいらなかった」
「助けなきゃお前は死んでいたが」
「何時もなら助けに来ないくせに!」
「家族は助ける」
「嘘だ! そんなこと言って、いつも!」
「おい、助けてやったんだ。ありがとうも言えないのか? そんな風に教育した覚えはないが」
ギリリと唇を噛んで父親を見る。父親も僕を見下ろした。
「オイ、テメー! いきなりポッとでやがって!」
「ヴィランは黙ってて!」
チラリと視界に入ったヴィランに矢をいれば、ヴィランに網がかかったらしい。うわっぷ、という声が聞こえた。
「第一、お前にはヒーローが向いていないといっただろう。大人しくS.H.I.E.L.D.の隊員になればこんな危険な目に遭わなかった。ちがうか?」
「僕が何をしようが僕の勝手だ! S.H.I.E.L.D.隊員になるもならないも、ヒーローになるのも!」
「親の言うことを聞け。ヒーローがどんなに危険な職業かわかっているのか!?」
「わかってるよ!」
「舐められたもの……まとめて……」
「親子会議中だ、黙れ」
チュイン、という音がして、また何かが落下する音が聞こえる。
「いいや、お前はわかってない。ヒーローがどれだけの確率で命を落とすのか。お前は自分の命を懸けてまで他人を守れるのか」
「できる!」
「口だけだろう」
「じゃあ、やってみせる!」
そう言って、噴水近くに弓を飛ばし、ワイヤーを張る。弓を使って滑車のように滑り落ちれば、背後から舌打ちが聞こえた。
← top →
最古のヒーローサポート会社・STARK.incの社長、代表取締役、メインテック及び国際連合世界特殊能力保護機関S.H.I.E.L.D.の副長官であり、世界最古のヒーロー数人のうちの1人。
そんな肩書きを持つのが僕の父親だ。いや、肩書きはそれだけじゃない。プレイボーイや世界一の頭脳を持つ男、なんてものもある。
――ヒロくんって、あのトニー・スタークの息子なんだってね。
――ヒロはあのトニー・スタークの息子なんだから、これぐらいできて当然だよな。
頭をよぎった言葉に、顔をしかめる。ため息と共にこちらに手を伸ばした父親の手を跳ね退けて自力で建物の上に上がる。
「なんできたの」
「ジャーヴィスから緊急コールが来た。丁度雄英で仕事中だったから」
「僕に助けなんかいらなかった」
「助けなきゃお前は死んでいたが」
「何時もなら助けに来ないくせに!」
「家族は助ける」
「嘘だ! そんなこと言って、いつも!」
「おい、助けてやったんだ。ありがとうも言えないのか? そんな風に教育した覚えはないが」
ギリリと唇を噛んで父親を見る。父親も僕を見下ろした。
「オイ、テメー! いきなりポッとでやがって!」
「ヴィランは黙ってて!」
チラリと視界に入ったヴィランに矢をいれば、ヴィランに網がかかったらしい。うわっぷ、という声が聞こえた。
「第一、お前にはヒーローが向いていないといっただろう。大人しくS.H.I.E.L.D.の隊員になればこんな危険な目に遭わなかった。ちがうか?」
「僕が何をしようが僕の勝手だ! S.H.I.E.L.D.隊員になるもならないも、ヒーローになるのも!」
「親の言うことを聞け。ヒーローがどんなに危険な職業かわかっているのか!?」
「わかってるよ!」
「舐められたもの……まとめて……」
「親子会議中だ、黙れ」
チュイン、という音がして、また何かが落下する音が聞こえる。
「いいや、お前はわかってない。ヒーローがどれだけの確率で命を落とすのか。お前は自分の命を懸けてまで他人を守れるのか」
「できる!」
「口だけだろう」
「じゃあ、やってみせる!」
そう言って、噴水近くに弓を飛ばし、ワイヤーを張る。弓を使って滑車のように滑り落ちれば、背後から舌打ちが聞こえた。
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