午前中の授業を無事にこなし、梅雨ちゃんや芦屋さん達とほのぼのしながら昼ごはんを食べる。……男の子の友達がいないわけじゃないよ。
「ヒロ君、英語の発音綺麗ね」
「それウチも思った!」
梅雨ちゃんの言葉に賛同してくれた芦屋さん。ありがとう、と苦笑いをして言えば、近くで一緒に食べていた八百万さんが首を傾げた。
「ヒトトセさんは留学生枠なんだから当然だと思いますわ」
「留学生枠!? ってことは外人!?」
「あら、だから髪や目の色がそんな色なのね。個性の影響と思ってたわ」
目をぱちぱちと瞬く芦屋さんに、梅雨ちゃんは何処か冷静に答えた。僕は僕で驚いているんだけど。だって、僕は日本人と同じ一般的な『入試試験』で合格したわけである。まるで留学生じゃなかったら受かってないみたいだな、と少し顔をしかめれば、梅雨ちゃんがどうしたの?と首を傾げた。
「僕、留学生枠があるなんて聞いてないんだけどなぁ」
「なんでも今年、海外からの受験が例年より少し多かったみたいですわ。それで理事長がその枠を作ったとか。海外の優秀な人材を学校に入れたいけど、その分日本人の枠が狭くなってしまいますもの」
八百万さんの言葉に、なるほど、と納得する。確かに日本の学校なのに海外の人で溢れても困る。それなら最初から枠を決めていたほうがいいだろう。八百万の説明曰く、今年は試験運用で各クラスにひとりずつ設けられているらしい。
「でも、ヒトトセくんって日本語ペラペラやね」
「あー、母さんが日系で、父親も日本語喋れるから……」
「じゃあ、髪の毛の色とかはお父さん似?」
「うーん、どうだろう。父親はブラウンだから……でも父親の方の遺伝かな」
髪の毛を摘んで見る。僕のはハニーブラウンといわれるカラーだ。父さんはブラウンで母さんは真っ黒である。話しによれば、父方の祖母――僕は会ったことがないけど、おばあちゃんに当たる人がこの髪色らしいとは昔に聞いたことがある。眼の色は完璧父親似だ。
このまま家族の話になるとややこしくなる。僕は話を変えようと口を開いた。
「そう言えば、ヒーロー基礎学っていう授業、何するんだろうね」
← top →
「ヒロ君、英語の発音綺麗ね」
「それウチも思った!」
梅雨ちゃんの言葉に賛同してくれた芦屋さん。ありがとう、と苦笑いをして言えば、近くで一緒に食べていた八百万さんが首を傾げた。
「ヒトトセさんは留学生枠なんだから当然だと思いますわ」
「留学生枠!? ってことは外人!?」
「あら、だから髪や目の色がそんな色なのね。個性の影響と思ってたわ」
目をぱちぱちと瞬く芦屋さんに、梅雨ちゃんは何処か冷静に答えた。僕は僕で驚いているんだけど。だって、僕は日本人と同じ一般的な『入試試験』で合格したわけである。まるで留学生じゃなかったら受かってないみたいだな、と少し顔をしかめれば、梅雨ちゃんがどうしたの?と首を傾げた。
「僕、留学生枠があるなんて聞いてないんだけどなぁ」
「なんでも今年、海外からの受験が例年より少し多かったみたいですわ。それで理事長がその枠を作ったとか。海外の優秀な人材を学校に入れたいけど、その分日本人の枠が狭くなってしまいますもの」
八百万さんの言葉に、なるほど、と納得する。確かに日本の学校なのに海外の人で溢れても困る。それなら最初から枠を決めていたほうがいいだろう。八百万の説明曰く、今年は試験運用で各クラスにひとりずつ設けられているらしい。
「でも、ヒトトセくんって日本語ペラペラやね」
「あー、母さんが日系で、父親も日本語喋れるから……」
「じゃあ、髪の毛の色とかはお父さん似?」
「うーん、どうだろう。父親はブラウンだから……でも父親の方の遺伝かな」
髪の毛を摘んで見る。僕のはハニーブラウンといわれるカラーだ。父さんはブラウンで母さんは真っ黒である。話しによれば、父方の祖母――僕は会ったことがないけど、おばあちゃんに当たる人がこの髪色らしいとは昔に聞いたことがある。眼の色は完璧父親似だ。
このまま家族の話になるとややこしくなる。僕は話を変えようと口を開いた。
「そう言えば、ヒーロー基礎学っていう授業、何するんだろうね」
← top →