▼ 深夜2時
※デイが本物くさいです。先に謝っておきます。本当にすみませんでした。
深夜2時―。
ふと外の空気が吸いたくなって自室を出ると、相方の部屋から光が漏れているのに気づいた。
(あいつ、まだ起きてるのか…)
いくら明日からしばらく休みを貰ってるからといっても、夜更かしが習慣づくと困る。
(こんな時間まで何やってんだか)
早く寝るように言ってやろうと、ドアノブに手を掛けそっと中を覗いた。
「あっ…サソリの旦那ぁ…」
(なっ…!)
俺は自分の行動を心底後悔した。年頃の男なのだから当たり前の事ではあるが、他人の自慰を目の当たりにしてはさすがに声も出ない。―それも同じ男である自分の名前を呟きながら―となると尚更だ。
「…んんっ…あっ…旦那っ旦那っ」
(う、嘘だろ…)
デイダラの手の動きが速度を増していく。あまりの衝撃に俺はその場を動けなかった。
「くっ!旦那好きだっ…」
最後に駄目押しの一言を放ってあいつは果てた。―オイオイ、嘘だと言ってくれ…!
生憎自分は性欲を持ち合わせていない。だがよく考えれば、性に目覚める前に犯罪者組織に身を委ね、異性との関わりもなく、人生の半分以上を俺と過ごしてきたわけだ。
やっぱり年上である俺がちゃんとそういうことにも配慮してやらないといけねぇよな。…手遅れじゃなきゃいいんだが。
「角都」
「何だ。暗い顔をして」
「…お前、相方の…いや…何でもない」
「言いたいことがあるならちゃんと言え」
「っ………性欲処理はどうしてる」
「…ついに壊れたか」
「うるせぇよ。答える気がないんならいい。忘れろ」
「冗談だ。なに、そんな簡単なことで悩んでいたのか」
「簡単なのか…?で、遊郭とか連れて行ってんのか」
「いや」
「じゃあどう…」
「抱いてやっているが」
「はっ…?」
「何を驚いている」
「いや、お前たちってその、そっちだったのか」
「お前は違うのか」
「なっ、なワケねーだろ!」
「てっきりお前たちも同じだと思っていたがな」
(だ、ダメだ。このジジィ…)
角都に相談してみたが、全く役立つ情報を得られなかった。こうなったらリーダーに…
「デイダラの性教育?」
「ああ。変な性癖がつかねぇようにしなきゃいけないだろ」
「あいつまだ…」
「ああ、多分な」
「ふむ…手っ取り早く遊郭なんかでいいんじゃないのか」
「やっぱりそうか…」
そうと決まれば早速実行だ。善は急げってやつだ。
「おいデイダラ」
「何だい旦那」
「今日は特別な場所に連れてってやる」
「へぇ珍しいな、旦那が」
すんなり俺の誘いを受け入れたあいつは初めての遊郭の華やかな雰囲気に気圧されているようだった。
「…旦那、ここ……」
「もうお前も19だ。そろそろいいんじゃないかと思っ…」
「嫌だ」
「あ?」
「オイラ見ず知らずの女に童貞捧げるなんて嫌だよ」
「…でもなぁ……」
「旦那?」
「単刀直入に聞くが、お前男が好きなのか…?」
「なっ何言ってんだ、旦那!そんなの…!」
デイダラは顔を真っ赤にして俺から目を逸らした。
(…俺の思い過ごしだったか…)
「そうだな。変なこと聞いて悪かった」
「…オイラは…男が好きなんじゃなくて…旦那が好きなんだ」
「なっ…」
や、やっぱりそうなのかー!?…はっ…不覚にも、恥ずかしそうに俯いてるデイダラを可愛いと思ってしまった……何やってんだか…
「ダメかい?」
「ほ、本気で言ってんのか」
「うん…でも気持ち悪いよな。ごめん旦那、今の忘れてくれ、うん」
「あ、いや…」
「どうせなら初めては好きな人とがいいって思って…」
そう言って奴はさらに頬を染めて切なげな表情で俺を見つめてくる。くっそ、何かに目覚めそうだ…!
「あ、あのなぁ、俺は傀儡だし、性欲なんてもんはない。そんな俺なんか好きになっても辛いだけだぞ」
「でも旦那がいいんだよ」
…こいつはこんなに純粋で素直な奴だったか!?別人じゃないのか…?こんなに可愛かったか!?
「……」
「なんか言えよ、旦那」
「……あー俺の負けだ」
こんなデイダラは初めてだ。ここまで真っ直ぐに好きだと言われて悪い気はしない。…というか、俺も…こいつが好きなのかもしれない…
「相手してやるよ」
「え…?」
「たまにだぞ!」
「え…でも」
「その気になれば俺でもできるんだよ!お前が満足するかどうかは知らねぇが」
「旦那ァ!」
「うわ!よせ、こんなとこで…」
「…うん」
あー何でそんな顔するんだよ。抱きしめたくなるじゃねぇか……
――――――――――――
すみませんでした。(二回目
続きものの方が行き詰まったのでワンクッション置こうと思ったらいつの間にか下ネタに走ってました(^q^;)
ただデイに、アレの最中に旦那って呼ばせたかっただけっていう←殴
お粗末さまでした。
2012/10/01