▼ 隣の芝生は青い
(うわーまたかよ…)
最近オイラの頭を悩ませているのは、隣の部屋の主である飛段とその相方角都。夜な夜な、この二人が原因であろう不健全でいかがわしい音がオイラの部屋まで聞こえてくるのだ。
(ちょっとはオイラの身にもなってくれよ!うん!)
「明日文句つけてやる!」
そう怒鳴って布団に潜り込むが、一際大きな声が聞こえてきてオイラの睡眠は再び妨害される。何が嬉しくて男の喘ぎ声なんか聞かなきゃならねぇんだ!絶対に文句言ってやる!
翌朝オイラは飛段の部屋に殴り込みにいった。
「おい!飛段!!」
「んあ?よォー…デイダラちゃん…」
「随分と眠たそうだな、うん」
「あ?やっぱ分かるか?今にも爆睡かましそうだぜホント…」
「そりゃ夜あれだけ騒げばな!」
「あ、聞こえてたか!」
「あったりめーだ!うん!聞きたくもねぇのに毎晩毎晩、いい加減にしろよ!」
「そう言うなよォー。長期任務でしばらくシてなかったんだから仕方ねぇだろー」
「それで盛った声を聞かされるオイラの身にもなってくれよ…!」
「わりぃなー」
「今日はおとなしく寝ろよ!うん!」
「あーハイハイ」
「聞いてんのか!」
「聞いてるぜー。つーかデイダラちゃんもヤればいいじゃねぇか。そしたら隣の音なんて気にならねぇぜ?むしろ興奮剤に…」
「喝!」
「ぐへあ!?」
あんまりゲスいこと言いやがるからちょっくらオイラの芸術をお見舞いしてやった。心配いらねぇよ、うん。こいつ不死身だし、軽いやつにしておいてやったからな。
「なーにすんだよいきなり!」
「お前と話してるとイライラするんだよ!」
「あーそれサソリにも言われたわ」
「む…」
こいつは突然旦那の名前出すからいつも焦るんだよな、うん。オイラ、旦那の名前聞くだけで馬鹿みたいにドキドキするから顔に出ないようにしねぇと…。
「つーかよ!どうやったらそんな自然にキスできんの?!」
「は、ハァ!?」
「よくしてんだろがサソリとよォ!なぁ教えてくれ!その秘訣とやらをよ!」
「な、何で…お前…」
「あ?皆知ってるぜ?」
「嘘だろっ!!?」
「ちなみに俺はリビングでお前らがキスしてるとこ見たぜ!それはそれは長い…」
「やめろ!それ以上言うな!うん!」
バレてたのかよー!!!恥ずかしいから隠れてやってたのに…。またこいつにまで知れてるのが癇に障るぜ、うん!
「でな!俺って角都とまだキスしたことないんだよ!スッゲーねだってみてんだけどよォ…」
「え…?ホントかよ?そりゃ意外だな、うん」
「だろ!?角都の奴、なんでかしんねーけどしてくれねーんだよ!」
「あんだけヤってんのに?」
「たまに俺のことホントに好きなのか分かんなくなるぜ!」
「いや、それはオイラのセリフだ…うん」
「へ?なんで?」
「だって…キス…しかしてくれねぇんだぜ旦那は」
「あー…確かに……じゃなくてよ!そりゃ仕方ねーだろ。相手がサソリじゃあ」
「でも出来ないわけじゃないって言ってたし…」
「あんな色っぽいキスしてくれるんだからいいじゃねぇかよ!羨ましいぜ正直!」
「いや、飛段たちのが羨ましいぜ、うん。なんか…相思相愛っての?そんな気がしてよ」
「それはデイダラちゃんたちだろォ!?キスのひとつもなくてどこが相思相愛だよ?」
「でも最中にむちゃくちゃ名前呼び合ってるじゃねぇか!全部聞こえてんだぜ!うん!」
「ハァ?名前ぐらい呼ぶっての!それより俺見たんだぜ!お前らのアッツいキスとついでにハグもなァ!」
「うるさいぞ。お前たちの会話、外に丸聞こえだ」
「「え?」」
見ればイタチがドアのところに立ってた。団子頬張りながら。…あ!そういやオイラ、飛段の部屋に入るときドア閉めなかったっけ!こんな女々しい会話、イタチに聞かれるなんて屈辱以外の何者でもねぇ!!最悪だ…っ!
デイダラが頭を抱えていた頃リビングでは…
「サソリさんと角都さんはそそくさと部屋に戻っていきましたよ」
「…今頃恥ずかしさに悶えているのだろうな」
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くだらねぇwwww
てかデイダラと飛段会話させるの好きだな私ww
2012/11/30