▼ 鬼鮫の手記より
皆さんこんにちは。干柿鬼鮫です。今日は皆さん大好き芸術コンビのお二人のお住まいにお邪魔しています。
暁が解散となり、我々メンバーは各々の人生を歩き始めることとなったのですが、やっとお互いの気持ちを知った(私達はとっくに気づいていましたが)サソリさんとデイダラは同じ道を歩むことにしたそうで、こうして一つ屋根の下、生活を共にしているのです。まぁ、その話については後日触れることにしましょう。
久しぶりにお二人の顔が見たくなりまして、時間もあったので、手土産を携えてフラりと立ち寄ったのですが…
「悪いなー鬼鮫の旦那。菓子まで持ってきてもらったのに、ちょうど旦那留守なんだよ、うん」
「いえ構いませんよ。突然押し掛けたのは私の方ですし。むしろお茶まで出して頂いて悪いですねぇ」
「遠慮すんなよ。昔の仲間のよしみじゃねぇか、うん」
「ではお言葉に甘えて。しかしお元気そうで安心しました」
「鬼鮫の旦那もな」
「その後どうですか。サソリさんとは」
「んー?やっぱり喧嘩はするけどな」
ガチャッ。
「あっ帰ってきた!」
「意外と早かったですね…って」
バタバタと足音をたててデイダラは玄関にとんで行ってしまいました。その素早いこと素早いこと。やはりこの辺がまだまだ子供だとも感じますし、デイダラの良いところだとも思います。ああ、でも彼がこんなに嬉しそうにするのはサソリさんに対してだけでしたねぇ。
「旦那おかえりー!うん!」
「ただいま」
ぎゅう。
…おやおや、人が見てるにも関わらず、熱い抱擁を交わしていますよ。目のやり場に困るので少しは自重してもらいたいものですが。それにしても長いですねぇ…。もしかして帰宅の度にこうやって抱き合っているんでしょうか。どこの新婚夫婦でしょうねこの人たちは。とにかくいい加減私の存在を気にかけてもらってもいいですかねぇ。
「あのー」
「何だいたのか鬼鮫」
「ええ、まぁ…相変わらず仲がよろしいようで」
「おかげさまでこの通りだ」
「旦那!せっかく鬼鮫の旦那が来てくれたんだし夕飯食べてってもらおうぜ、うん!」
「それもそうだな」
「あ、いや…そんなつもりは…」
「今日はデイダラが得意のおでんを用意してるんだ。いつも多めに作るから遠慮するな」
「ではご馳走になりましょうか。ありがとうございます」
「よし、決まりだな!ならオイラ支度してくるからな!」
デイダラはニッと笑うとまた忙しなく台所へ走っていってしまいました。その背中を見送るサソリさんの表情を盗み見たのですが…。なんて顔してんですか、"好きだ"と顔に書いてますよ…まったく。おおっと、呆れ半分、羨ましさ半分でその光景を眺めていると、サソリさんがいきなりこちらに向き直りました。
「たまにはこうやって遊びに来いよ」
「よろしいんですか?」
「ああ。その方がデイダラも喜ぶからな」
「なるほど…」
なんというか…夕飯を頂く前からすでにお腹一杯な気分です。
その後、デイダラ特製のおでんをたっぷり頂いて、おいとましました。食事中もお二人のイチャイチャぶりには瞠目しましたが、とても有意義な時間を過ごせたと思っています。あんなにも穏やかなお二人の笑顔は暁時代には見ることができませんでしたから。聞くまでもなく幸せなのだと分かりました。フフ、こちらまで嬉しくなりましたよ。また時間の都合がつけばお邪魔しようと思います。今度はイタチさんと共に伺えたらいいですね。
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いかがでしたか?
皆さんのご希望があれば、またこうして手記を公開したいですねぇ。
By 鬼鮫
2012/11/15