ずっと





――貴方に出逢えたことが私の終わり――








「サソリ様」

「ん、由良か」

「言われていた敵の情報を仕入れてきましたのでご報告に参りました」

「ああ、随分早いな」

「その方がよろしいかと思いましたので…」

「クク…相変わらず真面目な奴だな」


貴方は…気づいているのだろうか。その皮肉めいた笑みがどこか憂いを帯びていることを。



「よくまとまってるな、上出来だ。お前は本当に頼りになる」


ほら、また。今にも壊れそうに。


「下がっていいぞ」

「あ、あのサソリ様…」

「何だ」

「…私は何があっても貴方のお傍にいます。……貴方を一人にはしませんから…」

どうかそんな悲しげな瞳で笑わないでください。


――もし、その微笑みの向こうに絶望があるのだとしたら…

全部私にください。私はいくらでも受け止めますから―。




「…もっと自分を大事にしろよ」


そう言って貴方は私の頬に触れる。


「…それがお前の望みだってんならいくらでも傍にいてくれていいぜ。ただ俺は、お前の気持ちには応えてやれねぇがな」


貴方の手が私の頬を優しく撫でる。


「…それでもかまいません」



ただ、私に触れてくださる愛しい貴方の手にさえ、自ら触れることができない自分がもどかしいだけ。



(ああ…もう少しこのままでいさせてくれ)









「旦那ー入っていい?」


(…!)



"旦那"と呼ばれて貴方は声のする方を見遣る。その時の、ほんの一瞬の、幸せそうな微笑を私は一生忘れないだろう。今までもこれからも私には向けられることのない、その美しい微笑を。


「ちょっと待ってろ」



嗚呼。私の知っている「サソリ様」と、貴方の相方が知る「旦那」はきっと全く別物なのだろう。


――それでも、それでも、私は貴方を愛している―――







(ずっとそばにいるから)










――――――――――――


由良=サソリの忠実なしもべ。いい男なのにね←
あれ、由良の一人称勝手に私にしたけども大丈夫かな?←

aiko様の『ずっと』を聴いていて思いついたネタでした。
というか、一こ上の小説とほんとに被ってますね!
語彙ないよ私!!ワンパターンだよ私!!!こんなんでいいのか私!!!!


2012/10/03



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