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慟哭



 ずっと考えていたのは。


 僕を信頼しきっている彼女に後ろから襲いかかって服を剥ぎ取る。押し倒してから頬をべっとりと舐める。驚く彼女の顎を捕らえて口づけをする。どれだけ抗っても舌をねじ込んでやるんだ。唾液を嚥下させて舌を絡ませて唇に噛みついて。畳に唾液が零れたら拭ってまた口に含ませる。それから胸元に舌を這わす。強く強く皮膚を吸い、痕を幾つもつけてやる。彼女がどれだけ嫌がっても止めない。僕の肩を掴んで抵抗しようものなら指を取って舐る。下品な音を立てて。泣きそうな顔をしていれば嗤う。出来る限りのどす黒い表情で。そうして濡れたそこを僕の指で確認してから「僕に襲われて感じてるんだね」と。彼女は僕の名前を何度も呼ぶんだ。切ない声で、搾り出すように。でも、それでも僕は挿入をしてやらない。「こんなに欲しがって。そんなに僕のことが好きなのかい」とでも言ってやる。すると彼女は弱々しく頷く。「しょうがない子だ」と言ってから僕のものを挿れる。歓喜した彼女の顔はだらしなく乱れて。僕は決して動かない。もどかしくなった彼女は自ら腰を振って懇願する──「先生、もっとして……」

 その妄想を実行に移すことはしなかった。だが、ほぼ毎日彼女を家に招いていたのは事実。ともすれば決壊しそうな境界線の危うさにぞくぞくしていたのだ。少し間違えれば彼女を襲ってしまうだろう。それが楽しかった。
 だが現実は僕を放ってはおかない。
 或る日突然、境界線は決壊したんだ。


 僕は彼女に後ろから襲いかかられ服を剥ぎ取られた。押し倒されてから頬をべっとりと舐められる。驚く僕の顎を捕らえて彼女は口づけをする。どれだけ抗っても舌をねじ込んでくる。唾液を嚥下させられて舌を絡ませられて唇に噛みつかれて。畳に唾液が零れたら拭ってまた口に突っ込まれる。それから胸元に舌が伸びた。強く強く皮膚を吸われ、痕が幾つもついた。僕がどれだけ嫌がっても止めない。彼女の肩を掴んで抵抗しようものなら指を取って舐られる。下品な音を立てて。僕はきっと泣きそうな顔をしているのだろう、彼女は嗤う。信じられないくらいのどす黒い表情で。そうして屹立した僕のそこを指で確認してから「私に襲われて感じてるのね」と。僕は彼女の名前を何度も呼んだ。情けない声で、搾り出すように。でも、それでも彼女は挿入をさせてくれない。「こんなに欲しがって。そんなに私のことが好きなの?」と言われる。すると僕は弱々しく頷くんだ。「しょうがない人」と言ってから僕のものを挿れる。歓喜した僕の顔はだらしなく乱れて。彼女は決して動かない。もどかしくなった僕は自ら腰を振って懇願する──「頼む、もっとしてくれよ……」




 飲み込まれたのは、堕落した僕。


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