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よろこぶ。


それから。たぶん私は二日ほど長谷部に離してもらえなかった。最後の方なんか、きっと気を失っていた。だって記憶がないから。途中でふつりと意識が途切れて、ふと気がつくと私の上で長谷部がまだ腰を動かしていた。必死な顔で。もう痛みさえなくなって、ただ、ああまだ私たちは間違ったことをしていると思った。長谷部はなにかを必死に訴えていたけどなにも聴こえなかった。なにか夢を見ていたということだけは分かって、それがいまの状況とどう関係があるのかは全く理解できないのだ。意識が戻ると楽しそうな長谷部がひたすらに私を求めていて怖くなって。彼がなにを考えているのか分からない、怖い、とても怖い。矢張り身体を許すべきではなかったのだ。一度だけで済むわけないと頭のどこかでは分かっていたのかもしれない。やっと身体を剥がしたとき、私の体は半分くらい溶けていたように思う。誰かが湯浴みさせてくれたのに、それが誰かも分からなかった。長谷部かもしれないが、もうそんな些細なことはどうでもいい。それから。長谷部はその後私に積極的に触れることはしなくなった。ひと月、ふた月と過ぎて、軈て三月経ち、私は気付く。月のものが来ていないことに。あるじ、と長谷部が耳元で囁いた気がした。