「若さとは失うこと恐れず走る誰かに揺さぶられてもなにも出来ないこと」 ストレートな歌詞を歌い上げるオマエが嫌いだった。正解しか歌わないから。当たり前のことを歌ったって誰も得しない。 ウィスキーを飲みながらオマエの曲を聴いたって全然酔えない。スマホから流れるピントのズレた声に会いたくて、悲しくて涙が出るぜ。知らない誰かを励ます歌が虚しく響く。 「強さとは失うこと恐れず走ろうと決めたとき近くに誰かがいること」 なあ、分かってるなら、どうしてオレの近くにいないんだ? オマエなしでオレはここまで生きてきたけど、道草ばかりでロクなもんじゃなかった。オレだけ励まして生きてりゃよかったんじゃねぇかな、オマエ。いつかこの歌と分かり合えるかな、オレ。次があったら二度とオマエを離さない。それだけの強さがオレにはある。いまなら。 - - - - - - |