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EGO



 ……ああ、こんなところにいたんですか。探しましたよ。おれから離れないよう何度も言っているでしょう。曲を作ってるときだって同じです。邪魔なんて思うわけないじゃないですか。お前はいるだけでいいんですよ。なにしててもいいですから、そこにいてください。晩飯? 要りませんよ曲作ってるんだから。食べてる暇、ありません。お前はそこでジャムパンでも齧ってて下さい。離れないでくださいよ。お前がいないとなにも作れないおれなんですから。……聞いてますか? いま別のこと考えてましたよね。眼を見れば分かります。言い訳するな。まったく、いつになったらおれの言うことを聞いてくれるようになるんですかね。そんなに難しいお願いしてますか? ただ、おれの傍にいてくれと言ってるだけなんですが。おい、眼を見ろ。おれの眼を見て返事してください。はいは一回。はい、そうです。よくできました。叱られたらしなくちゃいけないことありますよね? それも分かってますか? そんな顔しても駄目です。おれのことをきちんと刻み込まないと。いつもの剃刀ならそこにあります。そう、そこです。抽斗。自分でやるんですよ。おれがやってあげるわけないでしょう。自分でやらないと意味ないですから。腕、見せてください。ああ、この前の傷はまだ治ってないんですね。じゃあ太腿にしましょうか、今日は。腕に新しい傷がいくつもあったら不自然ですからね。脚なら普段は隠れますし。いいですか? おれのことを考えながら切るんですよ。……はい、まぁいいでしょう。絆創膏はこれ使ってください。痛いですか? 痛いですよね。痛くしてるんですから。でもこれでおれの気持ちは伝わったでしょう? 泣かないでください、お前が悪いんですから、ね? ほら、涙を拭いて。そこに座ってて下さい。いまからお前のために曲を作るから、そこにいろ。はい、いい子ですね。大好きですよ。

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