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駄犬



 口を食べちゃうみたいな激しいキス、ゆっくり服のなかに入ってくる細い指、やんわりと脚をこじ開ける冷たい太腿。ネズとの行為はいつも同じだ。いつも気持ちいい。ネズの肩に捕まって、なかをいじめる指先に耐える。「ん、っん……ぁ」恥ずかしいので声はいつも控えめ。ネズはそんなわたしをちらりと見て、指を増やした。「ん、っん、」「声」「ふ、ぁ」「声出して」あ、いつもと違う。そんな意地悪なこと初めて言われた。ちょっとだけ睨んだけど、ネズは涼しい顔をしていた。「あっ、う……っ、」弱いところ、少しうえの部分を強く擦られて思わず大きな声が出る。「あ、あっ」自分の声が恥ずかしい。たぶんわたしは耳まで赤くなっている。しばらくそうやって鳴いていると、ネズは指を引き抜いた。そして自分のものを取り出して熱くなっているわたしのそこに押し当てる。「や、っあ」反射的に腰が逃げた。「……いや、ですか?」ネズはまたわたしを見る。「ぅ、」いつものくせでそう言ったけど、本当にいやなわけじゃない。「いやならしません」と言って硬いものを擦りつけるだけ。じんじんする。そんなの、恥ずかしくて言えるはずもないのに。でもいちばん敏感な部分を押し潰すように動かれて、身体の奥が疼く。「ネ、ズ」口元を覆うと、自分の吐息は驚くほど熱かった。「や、やだぁ」くぐもった声が出る。「分かりました、やめましょう」でもネズは腰を動かし続けて、刺激を止めない。いつもと違う、こんなに意地悪するなんて。「や、じゃない……っ」離れようとするそれを反射的に掴んでしまう。不意を突かれたのか、ネズは小さい声を上げた。「これ、ほし、ぃ……」初めてこんなこと言う。はしたないと思われたかな、引かれてないかな。ネズの顔を見ると意外なことに真っ赤になっていた。「……そんなこと、言えるんですね」そしてちゅ、と優しいキスをくれた。「う、あっ!」欲しかったものがぐずぐずとわたしのなかに沈んでいく。「んっ、あっ、ネズ、ぅ!」もうなんと思われてもいいや。「きもちぃ、っあ、あ」わたしはだらしなく喘ぐ。ネズの息もどんどん荒くなって、やがて「ッ、出しますよ」と小さく囁いてなかに射精した。いつもと違うセックスはなんだか、いつもより気持ちいい気がした。恥ずかしいから言わないけれど。

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