ラバーソール履いたって、アイツには届かないんだぜ。ちょっとばかり見つけられやすくなるだけで、キスはできない。オシャレして、アイツを攻略しろよ。 「叶わないならなにもかも投げ捨てたい」 オマエが投げ捨てるべきはなにもかもじゃなくてシンガーへの恋心。ギター鳴らしながらアイツを真似たって、追いつけない。 だったらどうせ叶わない恋、オレを踏み台にしてもいいぜ。どうせならオレを役立ててくれ。オマエに壊されるなら本望だからさ。 偶然装って、オマエを紹介してやるよ。オシャレしてればアイツもイチコロだから。オレが惚れた女だ、保証するぜ。 それからハイヒール、買ってやるよ。アイツとキスできるように。だから泣くなよ。オレはオマエの白馬の王子様にはなれないけど踏み台にはなれるからさ。ギター捨てて街に出よう。ハイヒール、買いに行こう。キス、したいだろ? だからせめて、踏んで踏んで壊れちまったオレを抱きしめてくれ。ハイヒールでさ。 オレのことを好きなオマエはちょっと違うから、それでいいんだ。踏み台になれれば、昨日よりは少しマシな人生になる。 オレってそうなんだ。ハイヒール買ってやるからさ、泣きやめよ。オマエの笑顔が大好きだぜ。 - - - - - - |